今年も伊勢えび漁が最盛期を迎える。
茅ヶ崎漁港の音羽丸(橋本義信船長・60=写真)は、市内唯一の伊勢えび専門漁を行っており、8月2日に今季初の水揚げとなった。橋本さんは「海水が濁っていたから期待できた」と初漁の喜びを抑えながら話す。
禁漁期間を経て
伊勢えびは、産卵期にあたる6月1日から7月31日までが禁漁期間。橋本さんは、解禁日の8月1日午後、えぼし岩付近の水深約10mに60m程の刺網を3つ仕掛け、翌2日未明に揚げた。この日は13kgの水揚げだった。解禁後でも、体長(眼の付け根から尾端まで)13cm以下のものと抱卵している伊勢えびは採捕してはならず、今回の初漁でも網から海に戻した数は多かったという。「伊勢えびもそれぞれの成長があるからね」とえびを可愛がる橋本さんの目は優しい。しかし沖では一変、「誰よりも獲る」と強い気持ちで舵を握る。
黒潮にのって相模湾へ
伊勢えびの生態は不明な点が多く、一説によると卵は日本から遠く離れた南海まで流れ、そこから黒潮にのって日本へ帰ってくるという。黒潮が流れる紀伊半島の伊勢地方で多く繁殖が見られたため命名「伊勢えび」とされるが、黒潮は伊豆半島から相模湾や千葉県沖へと流れるため、茅ヶ崎で生息することに不思議はない。「生態を知るために三重県の水族館まで行ったけど、奥が深いね」と研究熱心な橋本さん。今季も漁師歴35年の舵取りが冴える。
|
<PR>
茅ヶ崎版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|