「自分がいいと思った本を作りたい」。旭が丘在住の内田清子さん(49)が独りで切り盛りする出版社「茅花舎(つばなしゃ)」が初出版した「はじめての重ね煮(著者・戸練ミナ)」が話題を集めている。
同書は、重ね煮料理研究家の戸練ミナさんが栄養学の知識と独自の発想で3種以上の野菜を重ねて煮る「重ね煮」のレシピを紹介した料理本。少しの塩と野菜の水分だけで蒸し煮にし、皮をできるだけ剥かず、アク抜きもしない野菜本来の力を引き出す調理法が離乳食や介護食として注目されている。内田さんは「多くの人に重ね煮を知ってもらえたら」と話す。
作りたい本を自分で
寒川町生まれ、茅ヶ崎育ちの内田さん。出版社に勤務していたが多忙から体調を壊し、入院生活を余儀なくされた。体力の回復に2年を要し、改めて食の大切さに気づかされたという。
体調の回復を機に料理誌を扱う出版社に。数々の料理本を世に送り出すが「作りたい本を出したい」と独立。フリーの編集者として活動する中で今回の重ね煮企画が転機になった。
「伝えたいことをきちんと地道に盛り込んだ企画は既存の出版社では通りにくい。通りやすくすると戸練さんの伝えたいこととは違う切り口になってしまう」。そこで自分で出版社を興し発行することを決断。今年7月に初版を発行した。その裏には「独り」で活躍する人たちの存在が以前から頭に合ったからだという。「全てが自己責任。だからこそ出来ることがある。きちんとした本を作り、将来は茅ヶ崎で頑張る人の本を出版したい」と内田さん。同書は長谷川書店などで購入可。問合せは茅花舎【電話】0467・58・1532へ。
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