茅ヶ崎の海をきれいにしたい-。そんな想いが、子どもたちの学習意欲を掻き立てた。卒業を控え、小学校生活の締めくくりに取り組む浜須賀小6年4組の総合学習を追った。
冷たい浜風が吹きつけた2月21日午前、軍手を装着した児童36人の姿がヘッドランドビーチ周辺にあった。総合学習の一環として、ビーチクリーンに励む浜須賀小6年4組の子どもたちだ。トングを片手に、砂浜に散在するゴミを『可燃物』と『不燃物』に分けながら拾って歩いた。
牛乳パックにスポンジ、ロープ、3mにおよぶ丸太、サメの死骸…。30分かけてゴミ拾いに汗を流した新居(にい)鈴菜さんと國分莉緒さんは、「やっぱりきれいな海がいい」と清々しい表情を浮かべた。
修学旅行の関係で、6年生のクラス毎の総合学習は昨年10月から始まった。担任の西本真知子教諭はユニセフをテーマにと考えていたが、子どもたちの声によって方向転換。「身近な海を未来まで守っていきたい」。多数を占めた意見を尊重し、自ら考えて行動する4組のプロジェクトが動き出した。
取材依頼、啓発物児童発案で形に
11月には、環境保全団体・認定NPO法人ゆい(浜須賀)の協力を得てヘッドランドを訪れ、かつての自然豊かな砂浜を取り戻そうと砂草の『ハマボウフウ』を植栽。1月には、ゆいのメンバーから話を聞いたほか、かながわ海岸美化財団(汐見台)の職員から講義を受けた。海のゴミのうち、3割はその場で捨てられたもので、残りの7割は川を辿って流れ着く。「砂浜にゴミがいっぱい落ちていてびっくり」と神崎陽斗君と舍川(とねがわ)俊太君は話し、普段の生活からポイ捨てをしないことや、分別して処分することに考えを巡らせた。
浜須賀小からヘッドランドまでは歩いて約20分。小崎結菜さんはサーフィン、徳田華怜(かれん)さんはカヌー、堀江史華さんはビーチフラッグと、遊びに行くことも多い。地元の宝物を守ろうとPRにも力を注ぎ、今回のビーチクリーンでは児童の発案で地元メディアに取材を依頼した。今後は、紙芝居を製作して校内で発表するほか、ポスターやチラシを作って市役所や市内店舗に配布して学習を終える。「海が好き」。子どもたちの想いが少しずつ形になっていく。
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