海のイメージの強い茅ヶ崎市だが、豊かな緑も魅力のひとつ。県立茅ケ崎里山公園で活動する市民ボランティア団体「茅ケ崎里山公園倶楽部」では約700人の会員が、里山の自然に親しんでいる。3月3日に行われた企画班のピザ作り活動を取材した。
寒さの残る晴れの日、公園内の谷の家がにぎわいを見せていた。未就園児から70代のベテラン会員まで、集まった約60人の目的は「手作りピザ」。岡村禎夫会長(73)は「五感で里山の自然を感じられる、食べられる活動は毎回大人気」と笑みをこぼす。里山で育てたタマネギやしいたけ、小麦などを使用し、具材や生地などのグループに分かれ、談笑しながら作業を進める。生地を広げ、具材を載せる工程では、これまで周りで遊んでいた子どもたちも集まり、真剣な表情でピザを作った。手作りの石窯で、無事ピザが焼き上がると大きな歓声があがった。
戸塚区から参加した松井さん一家は「子どもが好きな虫の観察がきっかけ。まさかピザ作りもするとは」と笑いながら、「活動は楽しい。子どもたちのためにも、この自然をどうやって残すか考える機会にもなっている」と話す。
里山に親しみ、守り、残す
同団体は、公園を拠点に里山に親しみ、その保全に取り組むことを目的に17年前に発足した。年会費制で会員は現在約700人。市外からの参加者も多く、自然教育を目的とした家族での参加が半数以上を占める。田んぼ、畑、雑木林、生態調査、企画、広報の班に分かれ、活動頻度は班や季節によって異なる。各活動の参加の有無は自由で、収穫イベントが特に人気だという。
今回ピザ作りを行った企画班は、実は今年度で活動終了。かかし作りやどんぐり拾いなど、これまでの活動は、他の班に吸収される予定だ。企画班リーダーの鈴木吉夫さん(74)は、会員の作業を眺め「初めは暇つぶしのつもりで入会し、他の会員とのふれあいも楽しくて、気付いたら7年目です。里山の自然はどんな人でも受け入れてくれる。皆気軽に参加してほしい」と微笑んだ。
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