「かわいい」。思わず手に取ったポストカード。花や動植物がところせましと描き込まれた彼女のイラストを見た時、穏やかな日常のなかにある季節の移り変わりを感じた。
透明水彩や色鉛筆のカラフルな色彩を繊細に重ね合わせた作品は、病院の壁紙や駅ビルの年間ビジュアル、アパレルのテキスタイル、化粧品メーカーの壁画などに採用され、常に注目の的だった。特に目を引くのが、イラストとアルファベットを組み合わせた“花文字”。ウェルカムボードや名刺にピッタリだと、デザインを考え、ワクワクした。
美術教諭の父と絵画教室を開く母の元に生まれ、アートであふれた生活を送った。本人は覚えていないと言うが、幼い頃から「美大に行く」と宣言。テニス部に所属していたスポーツ少女が、本格的にその道を志したのは中学を卒業する頃で、高校入学とともに美大受験予備校にも通い始め、武蔵野美術大学に入学した。
キャンバスの上でさまざまな表情を魅せるモチーフたちが、自分色に染まるまで紆余曲折あった。数社のデザイン会社を経て2008年に独立。「成長や変化をつぶさに観察し、それを絵に生かしていきたい」。新たな花が咲き誇るのが楽しみだ。
|
<PR>
茅ヶ崎版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|