年明けの「第96回東京箱根間往復大学駅伝競走」まで、2週間を切った。前回の箱根駅伝に母校ではなく、関東学生連合チームのメンバーとして出場した円蔵出身の鈴木大海さん(創価大3年)。今回は創価大学が予選会を突破し、母校の襷で箱根路に挑む。
シード権を持たない創価大は、10月に東京都立川市で行われた予選会で10校に与えられる本選出場権を争った。ハーフマラソン(21・0975Km)を走り、各校上位10人の合計タイムで競い、「故障明けで最低限の走りだった」という鈴木さんは、チーム9番目の1時間5分53秒(全体112位)で走り切った。創価大は総合タイムで5位に入り、3年ぶり13回目の出場切符を獲得した。
「ようやくチームで出られるんだ」。出場が決まった瞬間、鈴木さんの胸にはこんな思いが込み上げた。前回大会、創価大は本選出場を逃したものの、予選会で好走した鈴木さんは関東学生連合チームに選ばれ、地元の3区(戸塚〜平塚)を駆け抜けた。幼い頃から沿道で見てきた箱根駅伝。見る側から、見られる側へと夢を叶えたはずが、「走れたのはうれしかった。でも、襷は母校のものではない。襷をもらう相手も、渡す相手も他校の選手で。自分が想像していたのとは違った」。
区間記録は23選手中20番目。「すごい緊張して最初の5Kmが遅すぎた。自分の走りが全くできなかった」。気持ちも、結果も満たされない箱根駅伝デビューだった。
しかし、大きな経験を積んだのは事実。母校に戻った鈴木さんは、その経験をミーティングや寮生活でチームメイトに何度も伝えた。「箱根駅伝は絶対に走った方がいい。他の大会とは違い、沿道で知らない人からもずっと応援してもらえる」。そして、こう付け加える。「チームで出た方が絶対に楽しい」と。
陸上人生変えた中1の出会い
鈴木さんが陸上を始めたのは中学1年。短距離をやろうと、円蔵中陸上部に入部した。しかし、そこには自身の考えを翻させるほどの同級生がいた。中机(なかつくえ)陽彦さん(日本大3年)。後に、400mで国体やインターハイで入賞を果たすスプリンターだ。鈴木さんは、「格が違い勝てない。短距離で自分が1番になれないなら長距離にしよう」と種目を変えた。
その判断が奏功してか、鈴木さんは中学3年時に1500m・3000mで全国大会に出場。進学した藤沢翔陵高では、1年と3年時に全国高校駅伝を経験した。
「覚醒した」という大学では、入学時に同期で8番目だった5000mの記録が、今では2番に。順調に成長を遂げていたが、今年の夏に陸上人生で初めて故障。体調を崩して入院しただけでなく、左足に痛みも生じて1カ月間は軽いジョギングしかできなかった。秋以降は徐々に回復。12月1日の記録会では、5000mの自己ベストを更新した。
中学時代を鈴木さんと過ごした中机さんは、「大海は努力を見せるタイプではないけれど、すごい努力している。いい結果を出してほしい」と活躍を心待ちにしている。創価大学としてシード権獲得(10位以内)を目指す鈴木さんは、「家族や仲間のおかげでここまでこれたので、しっかり走るところを見せたい」。前回大会とは、一味違う。
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