障害者や高齢者が利用しやすい施設整備や、バリアフリーの街づくりに貢献する活動を表彰する「第12回神奈川県バリアフリー街づくり賞」の表彰式が2月10日に横浜市で開かれ、茅ヶ崎市美術館の『多感覚で楽しむアート展「美術館まで(から)つづく道」』がソフト部門で入賞した。
昨年夏に開催された展覧会。障害者やアーティストがチームを組んで美術館周辺の道を歩き、その経験や気付きをもとに作品を制作した。車椅子利用者の視点や盲導犬ユーザーの歩き方に着想を得た作品、視覚だけでなく音や香りなど五感に訴える展示が評価され、美術館や博物館の関係者らが県外からも訪れた。
展覧会を手掛けた学芸員の藤川悠さんは「受賞で背中を押してもらえた感覚。より多様な人を迎えられる美術館になったと思う」と話した。
”わからない”がスタート
「美術館では音声ガイドやスロープの設置などのハード面での取り組みが一般的。人々の意識や価値観を変える展覧会が作りたかった」と藤川さん。車椅子利用者の「美術館への道を迷路みたいに楽しんだよ」の一言がきっかけで、今回の展覧会の着想を得た。
作品が無い状態から始まったため、藤川さんは「そもそも企画を通すのが大変だった」と苦笑い。2年がかりで制作に取り組み、フィールドワークの中でアーティストは、「お互いの見る視線の高さの違い」など多くの発見があったいう。展示では、点字チラシや筆談ボードの設置など観覧者にも配慮した。
藤川さんは「他人のことはわからない。そこで諦めるのではなく、その違いを交流のスタートとして楽しめたら」と期待を込めた。
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