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「400年続く屋号残したい」 小皿bar Suya 岩瀬さん

経済

掲載号:2020年9月4日号

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岩瀬さん(左)と山田さん
岩瀬さん(左)と山田さん

 今年3月、茅ヶ崎駅南口そばにオープンした「小皿bar Suya」。この店名は、店主の岩瀬望美さん(41)の先祖が千葉で400年以上受け継いだ屋号「酢屋」からとったものだ。

◇  ◇  ◇

 岩瀬さんのルーツを辿ると、初代天皇・神武天皇に仕えたとされる天富命(あめのとみのみこと)につながる。天富命は、朝廷の祭祀を司る「忌部氏(いんべし)」に属し、房総半島を開拓。関東一円に麻や穀を植え、養蚕や織物などの技術を伝えたとされる。その子孫のうち酢・醤油の技術を伝えてきたのが「酢屋」だ。

 岩瀬さんの祖父母の代まで400年続いた屋号だが、跡継ぎにあたる叔父が早世し、途絶えてしまったという。

 大手デパートに就職し、全国の系列店舗の調整などで活躍していた岩瀬さん。キャリアプランについて考えていた30代後半の頃に知ったのが、自身のルーツだった。

 「『酢屋』の屋号を残したい」と、独立を志すように。両親とともに都内から茅ヶ崎へ移住し、17年に飲食店を間借りする形で「Suya」を開始。そして3月、駅前での独立にこぎつけた。

開拓者精神を受け継ぐ

 開店はくしくもコロナ禍と重なったが、近隣店舗とのコラボなど、多様な取り組みに挑戦しながら展開している。そのひとつが、将来独立を目指す店員に、朝食時間帯の店舗を一任する「チャレンジキッチン」だ。

 茅ヶ崎におにぎり店の出店を志す山田愛海さん(25)は、6月から週2回キッチンに立ち、原価や利益を計算しつつ、市の貸農園で育てた野菜などを具材にしたおにぎりを提供している。「とても勉強になる。何よりお客さんの声が励みになる」と山田さん。岩瀬さんは「祖先が持っていた開拓者の精神を受け継ぎ、この店を通して伝えていければ」と話した。

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