--2020年は新型コロナ感染症流行に伴い、対応に追われた1年だったかと思います。市民の窓口となる保健所をはじめ、医師会・歯科医師会・薬剤師会における、これまでの取り組みについて教えて下さい。
茅ヶ崎市保健所・中沢明紀所長 茅ヶ崎市保健所では2月7日に「帰国者・接触者相談センター」を設置し、感染の疑いのある方などの電話相談のほか、PCR検査の調整などを開始しました。管内の感染者第1号が発覚した3月中旬からは、感染者の入院調整をはじめ、行動歴の聞き取りを行い、感染源の調査や「濃厚接触者」を割り出して自宅待機要請、利用施設の消毒指導など多岐にわたる業務を行ってきました。感染者増加に伴い、市職員一丸となり対応してきました。現在は外部の保健師にも応援を頼み、さまざまな機関と連携して対応しています。
茅ヶ崎医師会・丸山徳二会長 4月からドライブスルー方式の「PCR検査場」を設置し、当初、1日10件ほどの受け入れ態勢でしたが、感染拡大が予想された冬季に備えて、11月からは週5回から週7回に、時間も20時〜22時30分に延長し、現在は1日30件になり、増加する濃厚接触者への対応も可能としています。検査できる病院やクリニックも広がり、希望者はすぐに受けられる体制が整っています。また、11月からはインフルエンザ流行に備えて同方式の「発熱外来」を設置しました。まずはかかりつけ医に相談し、対応できない場合の受け皿としました。
茅ヶ崎歯科医師会・松井久芳会長 歯科医師会では各医院に対し、感染予防を徹底した環境づくりを呼び掛けました。クリニック自体の施設基準も高まっています。家にいる時間が長くなって間食も増え、虫歯が目立ちます。院内環境を整えているので、定期健診を受けてみてください。
茅ヶ崎寒川薬剤師会・大久保敦子会長 医療機関で、初診から電話やインターネットを用いた診断・処方が可能になったことを受け、薬局も4月10日から電話やオンラインによる服薬指導を実施し、場合によっては郵送や配達で薬をお届けしています。また、感染への不安から「コロナ不眠」に陥る人もおり、少しでも安心してもらいたいと、10月には「感染対策」をテーマに市民公開講演会を開催しました。これからも気軽に相談できる窓口として、薬局を頼ってもらいたいと思います。
中沢所長 そうですね。コロナの長期化によって今後の生活に不安を感じたり、精神的に疲れを感じている人が増えています。産後のお母さんや子育て世代が遠方の祖父母などのケアを受けられず、育児が孤立化するケースもあるようです。そこで、10月からは専用ダイヤル「こころの110番」を設けて電話相談に応じています。3月末まで開設を延長し、市民のみなさんに寄り添っていきます。
--今後については
丸山会長 「PCR検査場」「発熱外来」ともに県内トップを切って開設し、スピード感を持って環境を整備してきました。今後も市民が安心して医療を受けられるよう、また、冬は急性疾患が多くなるので、院内感染防止対策の徹底を促し、コロナ以外の診療体制もしっかり確保していきたいと思います。
中沢所長 丸山会長がおっしゃるように医療機関は感染予防を徹底していますので、持病の治療や定期検診を控えずに安心して受診してほしい。また、巣ごもりによる運動不足や過食、アルコール摂取量の増加なども問題になっていますので、生活習慣病への注意喚起も併せて行っていきます。今年、ワクチン接種が開始される予定です。これまで全市民を対象とした経験が無いので、円滑に進められるよう接種方法などを検討していきたいと思います。
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