茅ヶ崎市立図書館が1979年10月より実施していた「移動図書館車巡回事業」が、2021年3月をもって約40年の歴史に幕を閉じた。
図書館本館や分館から離れた地域に住む市民を対象に、約6000冊を乗せた「しおかぜ号」が市内16カ所を巡回し、図書の貸出をしてきた。
その後、市は公民館など市内各所で分室や図書室の整備を推進。22年度には市内北部に資料館機能を備えた(仮称)茅ヶ崎市歴史文化交流館が建設予定となっていることもあり、同年度中の事業中止が予定されていた。そんな中、新型コロナの感染拡大に伴い、市の財政状況が悪化。中止をさらに2年間前倒しすることが決定した。
涙を流す人も
しおかぜ号は1日2カ所、2週間に1度程度のペースで巡回。訪問時に放送する茅ヶ崎市歌も含め、市民に親しまれた。
歴代3代目となる「しおかぜ号」の運転手を3年前から務めていた三橋浩幸さん(59)は、「小さい子連れや年配の方に本当に愛されてきた。無くなる知らせを聞いて涙を流す方も」と話す。図書館への訪問が困難で、代理の家族がいない人を対象とした「家庭配本サービス」も展開しているが、「自分で本を選ぶ楽しみがなくなるのが寂しい」という声も届いているという。
佐藤勇館長(55)は「多くの方に愛されていたため、とても残念」とコメント。今後、事業の足跡を記した資料を作る予定だという。
|
<PR>
茅ヶ崎版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|