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仮称・西久保新駅用地 荒廃地が「自給自足公園」に 駅と緑と絆の会

文化

掲載号:2021年5月28日号

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▲花壇の奥には相模線と鶴が台団地が見える
▲花壇の奥には相模線と鶴が台団地が見える

 市内西久保の住宅街の一角。JR相模線沿いに、四季折々の花々や草木が生い茂り、近隣住民や野鳥らが集うオアシスがある。畑や田んぼ、さらには太陽光発電パネルまで備え、電力も自給するハイブリッド公園だ。しかし、「仮称・西久保新駅」の設置構想のあるこの地は、かつて雑草が繁茂し、ゴミが捨てられ、浮浪者が住み着くほどの荒廃地だった。「五郎兵衛コミュニティパーク」(西久保2009の1)の名で親しまれ、憩いの場になるまでの再生と進化の軌跡を辿った。

 初夏の風がそよぐ5月の土曜日。4500平方メートルの敷地ではブルーベリーやビワが実をふくらませ、じゃがいもやトマトの畑の上では、ソーラーパネルが雲の切れ間から覗く、太陽光を待ちわびていた。パネルで作られた電力で井戸水が汲み上げられるほか、余った分は売電されている。

 「ここは自給自足公園。携帯電話の充電もできるし、倉庫に野菜も備蓄している。避難所には指定されていないけれど、防災倉庫もあるから災 害時はみんなここに集まるんじゃないかな」。こう語るのは、同地を管理する『駅と緑と絆の会』の鈴木國臣会長だ。

 同会では16年前から、50人ほどの会員が花壇の手入れや木の剪定、農作業などを実施。秋の収穫祭では、餅つきや芋煮会が行われ、近隣の子どもたちや保護者、歴代の市長や議員らも集い、交流を深めてきた。

 「ここは緑や花があふれていて、とても癒されるから、毎日来ているの」「鳥たちも安心しきっていて、人が近づいても逃げないのよ」。藤棚の下の木陰では、花壇の手入れの合間にひと息つく婦人らが、口々にパークの魅力を語る。

新駅実現せず荒地に

 1997年、JR相模線の新駅用地として市土地開発公社が取得するも、新駅開業のめどは立たず、荒れ放題に。治安上の懸念もあり、2005年、荒廃地の改善に向けて西久保自治会の会長だった鈴木さんらが立ち上がった。「土地の一部をきれいに整備して、新駅ができるまで暫定的に住民に開放してほしい。そうしたら、みんなで楽しみながら手入れをしますからと言って、地元議員と一緒に、市に交渉したんです」

 除草作業など、同地の管理に掛かる費用は年間70万円。経費削減につながり、市にとっても好都合だった。関係部署らで特別チームが編成され、官民一体となり、再生プロジェクトが実行。ゴロゴロ石ばかりの土は入れ替えられ、農地や花壇へ生まれ変わった。その後も仲間との絆を深めながら改良され、自給自足公園へ進化を遂げた。

 発足から16年、会員の高齢化が唯一の課題だ。「農作業体験や花壇の手入れ、仲間づくりをしたい方は、どなたでもご入会を」。年会費は1世帯1200円。入会希望者は、鈴木さん【携帯電話】090・9145・4166へ。
 

◀農地の上に間隔を置いて並ぶ太陽光発電用パネルは、NPO法人「ちがさき自然エネルギーネットワーク」の協力のもと設置した
◀農地の上に間隔を置いて並ぶ太陽光発電用パネルは、NPO法人「ちがさき自然エネルギーネットワーク」の協力のもと設置した

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