市内西久保を舞台にした働き者の五郎兵衛と河童にまつわる民話「河童徳利」。茅ヶ崎発祥の昔話として知られ、神奈川昔話50選に選出されている。その伝統民話を生かし、地域活性化に取り組んでいる「かっぱどっくりグループ(吉本秀文代表)」が6月15日、河童徳利見学などで静岡県榛原郡川根本町を視察した。
同グループは市内北部の茅ヶ崎中央商店会、高田商店会、鶴が台名店街、鶴が台中央商店会、(協)ちがさき山の手四つ葉会の5団体で構成。2007年6月15日に発足し、これまで河童徳利のキャラクターロゴの作成やエコキャップ収集ボックスの設置、物語の小冊子作成等を行ってきた。
川根本町は主人公のモデルとなった三堀五郎兵衛の墓や実物の河童徳利などがある土地。以前まで墓は茅ヶ崎市円蔵にあったが、昭和54年の碑の建立に合わせ同町の智満寺に移っていった。「ルーツを知り実際に実物を見ることで、これからの活動にも生かしていきたい」と吉本代表。はじめに訪問した智満寺では、同グループのメンバーが墓と碑を見ながら感慨深げな表情を浮かべていた。
徳利に「歴史感じる」
子孫のイベント参加も視野に
「河童徳利」の物語は、主人公の五郎兵衛が河童を助け、その礼として酒が出続ける徳利をもらうというストーリー。そのせいで酒びたりで怠け者になった五郎兵衛だが、再び改心するという結末となっている。
五郎兵衛が亡くなったのは文政7(1824年)。徳利は4代直系の三堀ウタさん(故人)が所有していたもので、現在は娘の山田玉枝さん(75歳)が受け継ぎ、川根本町の自宅に保管している。
大きさは胴回り約40cm、高さ約21cm。かっぱどっくりグループのメンバーが自宅を訪れ、「取り上げて頂けることはとても嬉しい」と山田さん。貴重な 品で先代が所有している時は色々な人に「譲ってほしい」と懇願されたという。また、鑑定などはしておらず、価値がどれほどのものかは分からない。だが「そ ういうことはしたくない。みんなで想像することのほうが楽しい」と笑う。同グループのコンサルタント・青田直樹さんは「(末裔である)玉枝さんが徳利を手 にしていることにとても歴史を感じる。秋のイベント(茅ヶ崎)にもぜひ来てもらいたい」と話していた。
その他にも同町の観光協会メンバーらと会談し、物語を生かした地域活性の可能性について話し合われた。
今回の視察で吉本代表は「とても収穫になった。我々が理解を深めることで、お店一つ一つが河童徳利の『博物館』になれば。これを通じてお客さんと『おなじみ』になることが大切」と期待を膨らませていた。
この訪問を生かし、今後は資料展示やイベントなどで商店街を盛り上げていく。
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