毎週土曜の昼下がり、浜見平団地内の集会所の一室に団地や地域住民が次々と訪れる。浜見平文庫の開館だ。
浜見平団地の入居が始まったのが1960年台。文庫は団地内で組織された自治会が団地に暮らす子どもたちのために絵本や児童書を揃えて開設したのが始まり。記録によると最初の貸し出しが1970年の4月25日と残されている。
スチール製のロッカーに納められた蔵書は約5000冊。自治会活動の一環として自治会費で本を購入し、春と秋の年2回住民からの要望などを聞き新刊も購入していた。ほかにも寄贈や市立図書館からの貸出など入れ替えも行っている。
文庫を管理するのは自治会のボランティア。本好きの10人ほどが1回の開館に2、3人で貸出業務などを担当する。団地住民以外も利用できるため、週1度の開館を待ち焦がれる人は少なくない。ボランティアの一人、永原由美子さん(68)は「子どもが小さい頃はよく利用していた。昔はここが子どもたちでいっぱいだった。読み聞かせなども行われていて賑やかだった。今は1日15人前後」と話す。
現在までの登録者はのべ2700人を超える。同団地は老朽化など耐震問題から建て替えが行われるため文庫も50年で幕を閉じる。永原さんは「本は心が豊かになるから好き。無くなってしまうのは残念だけれど、ボランティアも皆高齢だし区切りにはちょうどいい。ハマミーナに新しい図書館もできたしお役御免ということ」と笑顔をのぞかせていた。
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