神奈川県が毎年発表している県民功労者表彰の2016年度受賞者に、茅ヶ崎市内から茅ヶ崎商工会議所会頭の山口利通氏(70)=東海岸北在住=、公益社団法人神奈川県医師会理事の増澤成幸氏(63)=高田在住=、民生委員児童委員の篠原徳守氏(75)=共恵在住=が選ばれた。
県民功労者表彰は公共福祉の分野で長年にわたり地域に貢献し、優れた業績をあげた人を表彰するもの。今年度は県内の45人が受賞し、6月10日に県庁本庁舎で表彰式が行われた。
地域経済をけん引
山口氏は商業部会長や副会頭などを歴任し、2013年に第12代茅ヶ崎商工会議所会頭に就任。これまで地域経済発展の旗振り役として先頭に立ってきた。
先代が乾物などを扱う小売商として創業し、80年の歴史をもつ株式会社湘南山鉄の代表取締役社長を務める。山鉄の名は祖父である山口鉄五郎氏の2文字からとられたものだという。これまで本業のほかに食品スーパー、ファストフード、飲食店など多くの事業も手掛けている。山口氏は「茅ヶ崎は文化・芸術の分野で名をはせた人を多く輩出し、また縁をもっている。これを文化遺産の一つとして大切にすることは他市との違いになる。これからはそれらを生かして文化商業都市を目指していきたい」と話した。
長年の功績称え地域医療に貢献
増澤氏は医師として、また神奈川県医師会のメンバーとして長年にわたり地域医療の発展と充実に貢献し、保健衛生の向上に尽くしてきたことが評価された。
増澤氏は1980年に新潟大学医学部を卒業後、横浜市立大学の医局を経て、1989年に市内高田に増沢クリニックを開院した。以来28年間、内科、胃腸科、外科、肛門科を診療科目に地域医療の充実に尽くしてきた。
「団塊の世代が75歳以上になる『2025年問題』に対し現在、県および行政、医師会をはじめとする各種関係団体で、将来の医療提供体制をどのように構築するかについて協議している。自分もその一員として、地域医療の発展・充実にこれからも取り組んでいきたい」と話している。
地域を見守り20年
篠原氏は53歳の時、会社に勤めながら民生委員児童委員になった。高齢福祉・障害福祉・児童福祉の各部会を3年ずつ経験し、2004年に茅ヶ崎地区民生委員児童委員協議会の会長、10年に茅ヶ崎市民生委員児童委員協議会の会長に就任している。
「支援する側とされる側の『顔の見える関係づくり』が大切」と語り、一人暮らしの高齢者のもとを訪れて安否確認や話し相手をする「友愛訪問」や、有事に備えて地域の高齢者らを登録しておく災害時要援護者支援制度の推進などを通じて高齢者の孤立化防止に尽力。児童の通学時の見守りや声かけなども行ってきた。見守り活動により、脳梗塞で倒れた高齢者が一命を取り留めたこともあり「活動をしていて良かったと思う瞬間」とやりがいを語る。
「地域の困り事を行政へつなぐ役割で、資格がなくても思いやりがあればできる。表彰の名に恥じないよう、これからも思いやりの心をもって活動に取り組んでいきたい」と話した。
|
<PR>
茅ヶ崎版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>