「変わらないおいしさを茅ヶ崎から届けます」
６月は「牛乳月間」。国連食糧農業機関が牛乳・酪農・乳業への関心を高めるため定めた、６月１日の「世界牛乳の日」にちなんだものだ。牛乳月間に合わせ、市内にある乳業関係企業として、株式会社 明治 神奈川工場（下町屋）を取材した。
株式会社 明治は、牛乳、菓子などの製造販売を行う食品会社。神奈川工場は敷地面積３万７３９５平方メートルで市役所本庁舎の約１・６倍の広さを持つ。協力会社なども含めると約５００人が勤務し、工場は24時間３６５日稼働している。従業員の多くは茅ヶ崎市在住。「農家の方に限らず、地域に支えられている工場」と同社は話す。
現在は、関東甲信越・東海エリアに出荷される壜装（びんそう）牛乳と、関東甲信越を中心に出荷されるヨーグルト製品を生産している。
メーカーシェアトップのヨーグルト製品は、その歴史においても同工場と深い関わりがある。
１９２８年に発売した明治牛乳。販路拡大などを目的に、１９６３年に関東圏の生産拠点の一つとして、国道沿いで交通の便なども良い現在の地点に神奈川工場を操業させた。
１９７０年の大阪万国博覧会をきっかけに開発され、翌年に同社が発売した日本初の本格的なプレーンヨーグルト。その第一号はこの神奈川工場で生産された。当時は牛乳同様、紙パックに入った商品だったという。
ヨーグルトの国として知られるブルガリア共和国からの乳酸菌提供は、１国につき１社と決まっている。同社は１９７３年に同国と提携し、製品名に「ブルガリアヨーグルト」の名を冠すことを許可された唯一の企業となった。１９９７年には、国賓として来日した同国大統領が神奈川工場を訪れている。
同社は「社内では『ヨーグルトと言えば神奈川』と言われている。神奈川工場は当社にとって伝統のある重要な生産地点」と説明する。
安心・安全の「明治品質」の追求のため、同社では国の衛生基準に加え更に厳しい社内基準を設け、生産はコンピューターで徹底管理している。
工場内には壜装牛乳の生産工程など、一般向けの見学ルートが設けられ、市内の小学校や幼稚園などが社会科見学などに訪れている。施設内には、これまで訪れた子どもたちからの手紙が貼り出され「手紙を見ると、これからも頑張ろうと元気が出ますね」と同社従業員も笑顔を見せる。
神奈川工場で生産されたことを示す製造所固有記号は「Ｋナ」。「商品名ではありませんが、いわば『茅ヶ崎産ヨーグルト』の証。関東甲信越エリアが主ですが、『明治ブルガリアヨーグルト低糖（１８０ｇ）』など、全国で販売されている製品もあります。当社製品購入の際などにチェックしてみては」と同社。
「今後も、受け継がれてきたおいしさを、神奈川工場から提供していきたいですね」
神奈川工場の生産品
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