あなたは何色が好き？「色」は、私たちにとって身近なもの。服や家具、家電、あなたの周りにあるたくさんの色、あなたが選んだ「お気に入りの一色」――それを操る「色の魔法使い」が、彼女。
プロダクトデザイン出身のＣＭＦデザイナーの草分け的存在。大手メーカー企業などの製品製造・戦略のカラーコンサルティングを行う傍ら、金沢美術工芸大や多摩美術大などで教鞭もとる。色の魔法使いは引っ張りだこなのだ。
単身修業で渡った「ミラノの風」を感じ、茅ヶ崎へやってきた。家電売り場で一際目を引く日立の洗濯機や冷蔵庫の「ガーネット」「ショコラ」、業界に新風を巻き起こしたパナソニック製の美容家電のピンクシリーズ。多種多様の色が、ここ茅ヶ崎のオフィスで生まれ、多くの人を虜にした。
色の魔法は、科学で証明できる一つの技術ということを彼女は教えてくれた。「この仕事は心療内科、あるいは通訳みたいなものね」。製品の形が“外科”なら、色は“心療”。企業の想いを「色」という言葉で製品に反映させる。製品の色に関心は持っても、その裏方には中々思いを巡らせないもの。でも、それでいい。「結局売れればいいのよ」と明るく笑いとばしつつ、「色で心を動かせたら」と表情を緩めた。さて、次の魔法は？
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