2016・17年度と2年連続で約10億円の赤字決算となった茅ヶ崎市立病院の新たな経営改革案が、7月19日に開かれた市議会議員対象の全員協議会で発表された。現状のままでは、来年11月に現金が枯渇する恐れがあるとの試算を示した。
市立病院は急性期を担う地域基幹病院として、外来で延べ年間約21万4千人、入院約11万人に利用されている(17年度)。一方で経営状態が思わしくなく、佐藤光市長は昨年の市長選で市立病院改革を公約に掲げていた。
今回の改革案は、「将来にわたり安定した経営環境の下で、市民の健康を守るために必要な医療サービスを提供するとともに、それを維持する体制が整っている」ことを目指す。今年度から2022年度までの4年間の経営改革について、ロードマップとして示した。
患者数の低迷
経営悪化の背景には、同規模の他病院と比べ1人1日あたりの入院単価や入院・外来患者数の低さがある。支出に関しても、夜勤体制確保を目的とした新採用の人件費や、電子カルテシステム導入などによる維持管理費が膨らみ、赤字が続いて現金が目減りしている。
改革案では、達成状況を示す重要業績評価指標を設けた。1日平均の入院・外来患者数や単価を引き上げるほか、今春に23・7億円だった現金現在高は、退職給付引当金残高に相当する水準の維持にあたる、18億円の維持を目標とした。
具体策には、地域の診療所との連携強化や救急患者受け入れ体制強化などによる収入増のほか、給与体系の見直し、非常勤職員などの人件費縮減、高額医療機器購入に向けた更新計画策定などで支出の縮小を図る。
経営企画課を新設
計画の中では、病院経営の組織改革に向けた取り組みも提示。直近として、今年10月に計画推進組織の「病院経営企画課」を病院事務局内に新設する。中長期的には、地方独立行政法人化など経営形態の変更なども今後の検討材料にあげられた。
今後の財源として、通常の茅ヶ崎市一般会計をもととする病院事業会計経費負担に加え、経営を下支えするため22年度までの限定措置として補填的財政支援を見込む。
また、全員協議会では、ロードマップにおける数値目標などの不足や、計画スピードの遅さなどによる危機感欠如の指摘が議員からあった。
今後は次期総合計画の検討を進め、年度内にパブリックコメントを実施した上で、来年の6月議会での議決を目指す。
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