ロシア軍の侵攻で避難を余儀なくされたウクライナ人たちの受け入れが国内で進む中、同国クルィビリーフ出身のオルハ・ティシェンコさん(28)が5月17日に住民票を提出し、茅ヶ崎市民となった。市内のボランティア団体有志らの連携支援が実を結んだ。関係者は「今後も受け入れの要請があれば、行政、ボランティア団体と連携して支援していきたい」と話す。
ロシア軍の侵攻が始まり、オルハさんは仕事を失い、家にこもる日々が続いた。居住地域がいつ戦闘に巻き込まれてもおかしくない状況にあることを考慮し、3月中旬に友人と共にポーランドに脱出。2週間ほど滞在した。現地では食事や通信、移動手段の提供など手厚い支援を受けられていたというが、支援の継続への懸念や、ロシアの隣国であるため攻撃のリスクは避けられないことから、別の居住先を模索していた。
その後、ウクライナ難民を支援するウェブサイトに支援者登録をしていた大学教授のダニエル・ドーランさん(東海岸北在住)と知り合ったことから、自身が置かれた現状について伝えるなど交流が始まった。
出国の際にはダニエルさんがビザ手続きの身元保証人となり、渡航費を支援する形で来日が実現した。
入国後は、ダニエルさんが所属するボランティア団体の仲間が暮らす横須賀市内の住居で数日過ごした後、都営住宅で日本での生活を始める予定だった。
偶然の出会いで進展
そうした中、偶然の出会いからオルハさんの環境に変化が表れる。
ダニエルさん夫妻と4月に市内の飲食店を訪れた際、ウクライナの支援を検討していた奉仕団体・茅ヶ崎中央ロータリークラブ(RC)の有志らと出会ったことが契機となり、住居など生活上のさまざまな支援が受けられるように。オルハさんは「人々の温かさに感激した」と、この地で暮らすことを決めた。
住民票を提出した17日には同RC有志の協力もと市役所を訪問し、佐藤光市長らと面会した。現在はボランティアによる日本語教室に通っているという。オルハさんは「言葉では言い表せないくらいのありがとうの気持ち」と話す。
近隣市町連携で支援を
今後について、同RCの當間安弘さんは「市内3つのRCをはじめ、近隣の寒川町、綾瀬市らとも連携していきたい」と意気込む。ダニエルさんは「難民一人一人それぞれ事情が違う」とし、「個々に一番良い方向に導けるよう、たくさんの選択肢を提案できるようにしたい」とした。
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