講演会で金型(かながた)を「キャナ型」と発言し、2日に第一回ものづくり流行語大賞を受賞した 落合 孝明さん 菖蒲沢在住 37歳
町工場で誕生 「金言」なう
○…「藤沢市でキャナ型を設計している落合です」。昨年2月、都内で行われたものづくりに関する講演会での自己紹介。人前で話すのはこれが初めてで、緊張のあまり噛んでしまった。それを聞いた仲間が早速ツイッターで「オチさん、噛んだ。金型をキャナ型」と呟き、瞬く間に流行語に。「何でもない一言がこれほど注目されるとは」と照れ笑い。
○…車のバンパーやドアの金型を設計する(株)モールドテックの社長を務める。社名「モールド」の意味は「金型」。生業を噛んだ失態を犯すも「これをきっかけに、不況の製造業が笑顔になってほしい」と前向きだ。今では、経営者の勉強会の総合司会を任されるなど、滑舌も上達。「会場の人は、噛むのを期待しますけどね」といって頭を掻く。同業者が集まる時は、「お宅のキャナ型どう?」と使われるだけでなく、「神奈川県」も「キャナ川県」と呼ばれるまで、何気ない一言は発展を遂げている。
○…御所見小、中、藤沢北高を卒業し、現在は2人の子どもにも恵まれた。「子どもが過ごすには、自然もあって最高」と市北部を評価する。息子の夏休みの工作は、本人以上にのめりこんでしまうとか。趣味はツイッター、ブログ、読書。自身の人生の一冊という「運が味方につく人つかない人」はまさにぴったり。「頼まれたことを断らない」のがポリシー。司会も、仕事もそうやって挑戦してきた。今後はものづくりのフィールドで「少しでも中小企業の経営が円滑に進むよう、コンサルタントもしていきたい」と展望を語る。
○…「大賞で貰った賞状、面白いんですよ」といって見せてくれた賞状には、「卓越した発想力で『キャナ型』という流行語を生み出し、町工場の人々を震撼させ、勇気と元気、笑いを与えた」とある。「粋でしょ」と相好を崩す。日本の製造業はまだまだ元気だ。
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