4月から藤沢市技能職団体連絡協議会の会長に就任した 青木 敦さん 亀井野在住 60歳
職人の「技」を未来に
○…左官や鳶職、和菓子職人、理容師に洋裁師。協議会には、人びとの衣食住を「技」で支える職人約千人が加入する。来年で設立50年。節目の年に向けた取り組みとして「仲間を増やす」と「技術の地産地消」を掲げる。会員数のさらなる増加を図るとともに、加盟する店舗を多くの人に知ってもらい、市民に市内の職人が作るものを買ってもらうサイクルの構築を目指す。
○…石材加工職人として技術を重ね35年。職人だった父が他界し、20代半ばで大手化学メーカーの営業職から実家の石材店に転身。修行のため3年間働いた他店では、忙しさに心身ともに疲弊し、2年連続で胃潰瘍を発症した。それでも先輩たちの細かな部分まで妥協しない技術や、墓石の施工後に寺を掃除するなどの丁寧な仕事に憧れ、職人の道に進んだ。「お客さんの思いを込めたお墓を作り、感謝されることがやりがい」と仕事の魅力を語る。
○…亀井野に生まれ育ち、藤沢北高校(現・藤沢総合高)に入学。同校の陸上部では県大会のリレー種目で入賞した。「たまたま自分の代に強い選手が集まった」。職人への転身や今回の会長を含め、「偶然が重なった人生」と振り返る。専門学校で学んだ経理やメーカー営業で身に付けた社会人としてのノウハウが経営者としての仕事に生かされるなど、「偶然」の経験が大いに役立つことを実感する。
○…後進を育てる取り組みとして「働き盛りの職人たちが加わる青年部がイベントなどで活動しやすい環境をこれからも整えていく」とする。若手とベテラン、他業種同士が交流し、技術を高め合う場として協議会を盛り上げていく。「地域の人に信頼される技術を、皆さんと協力して未来につないでいく」と誓う。
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