現在建設中の「藤沢商工会館」の設計を手掛けた 平山 元英さん 渡内在住 56歳
和を以って街づくりと為す
○…藤沢駅北口に建築中の藤沢商工会館(愛称ミナパーク)の設計を手掛ける。「自分がやるとは思ってなかったけれど、農業だけでなく、産業すべてが地産地消にすべきだと思っているから」と穏やかに微笑む。
○…茅ヶ崎市生まれ。藤沢には中学生の頃に移り住んできた。建築士の父親の影響で自然と建築の道へ。日大の建築学科では構造学を専攻。「デザインを支えるのが構造。奇抜なデザイン有りきで、それを支えるために強引に柱や梁を入れたりするのは美しくないよね」。恩師の教えは、今でも変わらず自身の基盤となっている。大学卒業後は、実家の建築事務所で父親の片腕として勤務。以来30年以上、景観に溶け込む建築デザインを心掛けてきた。
○…1999年から市民電子会議室の運営委員に。「パソコンに詳しいわけでもないし、一見、建築とは関わりが無いようだけれど、最終的には街づくりにつながる」。掲示板には市への厳しい意見が寄せられることもあったが、市が直接言い訳しないことも書き込んでいたという。「市の立場ではなく中立的な立場で」。いくつもの団体に所属し、「周りからは市の職員だと思われていた。二足も三足もわらじを履いて、本業の設計は大丈夫?なんて心配されたりして」と笑う。
○…事務所は創業52年。「先代からのお客さんが多くて、2代・3代と続いて付き合えることが嬉しい」と目尻を下げる。数年前、見知らぬ個人から設計依頼のメールが連続で届いた。「珍しいなと思っていたら、実は市の職員だった。先方は私をよく知っていて」。電子会議室での公平な投稿や応対から、誠実さや街づくりへの思いが伝わったからこその依頼だった。
○…建築と市民活動と街づくり―。全てに共通点がある。「千差万別の思いをまとめて組み立てていく作業が似ている。みんなの満足感を得ながら結果を出していきたい」。揺るがない郷土愛で縁の下から街を支える。
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