平成26年安全功労者内閣総理大臣表彰を受賞した 香川 達夫さん 片瀬在住 80歳
人助けは心の勲章
○…海上安全指導員としての功績が称えられ、平成26年安全功労者内閣総理大臣表彰を受賞した。1974年から、海上安全活動を行うボランティアとして、延べ2000回を超えるパトロールを行い、小型船舶の海難防止やルール及びマナーの向上、海上保安庁と協力して救助活動などを行ってきた。「自慢するほどの活動だと思っていないが、誰かが見ていてくれたのだと思うと嬉しい」と受賞の喜びを語る。
○…中学3年の頃、仲間たちと壊れたエンジンを直し、モーターボートに乗ったことで楽しみを知った。東京オリンピックの翌年、京都から藤沢に移り住み、憧れていたモーターボートを購入。「大海原を走っていると、束縛から逃れられるのが魅力」と笑う。当時、海洋レジャーの普及にともない、海難事故が増加する傾向があった。運輸省・海上保安庁の指導により任意団体の「全関東小型船交通安全協議会」が発足し、2代目の会長に。7年後には同協議会が法人化した「(社)関東小型船安全協会」の設立に携わり、初代会長を任された。
○…NHKのプロデューサーとして活躍していたが、50歳で早期退社しボランティアに専念する。すばな通りに小さな喫茶店を開き、海の安全を見守り続けてきた。ボランティアといっても、1千万円を超える救助ボートを購入するほど。「私を必要としてくれる人がいる」と力を注いだ。「助けた人が感謝してくれることが、私の心の勲章。救助して10数年後に、わざわざお礼をしに訪ねてきてくれた人もいる」と話す。
○…現在は、現役を離れ妻と2人暮らし。インターネットで若いころに聞いた音楽を楽しみ、昔好んで読んでいたハードボイルド小説を読み返しているのだとか。長い活動を支えてきたのはシンプルな考えだ。「暮らしている地域のために、対価を求めず自分ができるお手伝いすること」。優しい瞳で語った。
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