11月1日から開催される藤沢国際映画祭の実行委員長を務める 竹中 翔子さん 藤沢在住 31歳
街の灯 映画でともす
○…初めての試みとなる「藤沢国際映画祭」を開催する。2007年に藤沢オデヲン座が幕をおろし、3年後にフジサワ中央が惜しまれつつ閉館。映画館が無くなった駅前は文化の香りが消えたようで寂しかったという。映画祭は近隣市でも開かれているが「藤沢の街でこそ、やらないといけない」と思いは強い。
〇…中学生から映画の虜になり、月に1、2回映画館に。当時オデヲン座で行われていた企画、ミニシアター週間で上映される作品を観るのが楽しみだった。高校生になると好きが高じてフジサワ中央でアルバイトを始め、大学でも映画を学んだ。映画館で過ごした日々が長かっただけにオデヲン座の閉館はショックだった。「街の風景がどこか違って見えた。美術館も無く、本物に出会う場所がない。いつか映画館を作りたい」と思うようになった。
〇…形になったのは2013年、「街の人に愛される街の映画館」を目標に「シネコヤ」の活動をスタートさせた。映画会を重ね、現在は鵠沼にあるレンタルハウスを会場に毎月2本を上映している。手作りした映画の小道具やセットを展示したり、作中に出てくる料理を提供したり。工夫を凝らしながら映画の魅力を発信している。
〇…映画祭はこれまでの活動を通して知り合った仲間たちと「みんなでいっしょにやれたら面白い」と話が進んだ。会場は駅前の飲食店で、幅広いジャンルの上映作品やゲスト、企画など「街の人に愛されるものに」というスタイルを貫いた。「来年は海外の作品を公募して将来はカンヌ映画祭のように」と夢は大きい。
〇…6歳から藤沢で育つ。2人姉妹の妹で幼い頃は木登りをする活発な娘だった。性格は「良く言えばおおらか、悪く言えばおおざっぱ」と笑う。趣味は喫茶店巡り。同世代が店主として頑張っていて「元気がもらえる」のだとか。秘めた情熱で藤沢の街に映画の灯を復活させる。
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