宝塚歌劇団OGによるブロードウェイミュージカル『シカゴ』に出演する 初風(はつかぜ) 諄(じゅん)さん 藤沢市在住 74歳
人生は宝塚で学んだ
○…7月9日から始まる宝塚歌劇団OGによるブロードウェイミュージカル『シカゴ』に出演する。宝塚の代表作『ベルサイユのばら』の初代マリー・アントワネットで知られる、元娘役のトップスターだ。「日々、初心にかえって稽古している。幸福感でいっぱい」とにっこりする。公演は横浜をかわきりにNY、東京、大阪を巡る。女性だけの『シカゴ』がNYで公演されるのは世界でも初めて。「男役はすばらしい。本場ブロードウェイの作品にも絶対に負けてない」
○…東京生まれ。幼い頃は引っ込み思案な性格で、家では歌や踊りを披露するが、外では静かな少女だった。宝塚ファンの母に連れられ、4歳から劇場に通っていた。憧れたのは星組の男役トップスターだった寿美花代さん。「三つのワルツを演じている姿が今でも目に浮かぶ」と首ったけに。「とにかく寿美花代さんの近くへ行きたい」と宝塚音楽学校へ入学したのだとか。1961年の入団翌年にヒロインに大抜擢され、トップスターへの階段を駆け上がっていった。「運が良かった。演出家先生や先輩方にも恵まれて、みんなといるのが楽しかった。いろいろなことを宝塚が教えてくれた」と思い返す。
○…藤沢には16年ほど前に移り住んだ。最初の印象は「空気が穏やかで富士山もきれい」だった。今では自治会にも参加し、班長も担当。防災訓練では各家庭を安否確認して回ったり、ゴミの集積所に看板を出したりと地域に馴染んでいる。「今はだだの自治会のおばちゃんよ」と冗談めかす。
○…6年ほど前、大先輩の春日野八千代さんとの対談で贈られた言葉が今を支えている。「舞台人として品格を持ち、お行儀よく、謙虚にしなさい」。NYは若い頃から憧れていた夢の舞台。「本場でも品格を持って頑張りたい」と気を引き締める。「宝塚にいたから、良い機会を与えてもらえる。本当に感謝」と言葉に力を込めた。
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