タウンレポート 神大生の「寺子屋」開講 吉沢地区自治連と学生らが協働
住みやすい土地へ自治の新たな息吹
賑やかな声を上げながら、吉沢地区の子供たちが23日、小学校の宿題を抱えて公民館に集まった。小学生のお目当ては、勉強や遊びを優しく教えてくれるお兄さん、お姉さん先生。神奈川大学に通う学生だ。自治会と学生でスタートした地域版「寺子屋」の姿をレポートした。
寺子屋は今月11日から、吉沢公民館を会場に始まった。今後、第2月曜の放課後と、第4土曜の午前中に定期開催していくという。これまで毎回、10人前後の児童が集まっている。
先生役となる神奈川大の学生は、児童の教えて欲しい宿題や問題集をはじめ、事前に用意した「100マス計算」の問題などを一緒に解く。「集中力が持つように、小学校と同じにした」という授業時間は45分程度。終わった後はスポーツやレクリエーションで、子供たちと遊ぶ時間を設けている。
吉沢地区では昨年4月、公民館を拠点とした「自治推進モデル事業」を進めるとして、自治会連合会の中に「企画室」を設立。互助による地域福祉向上のため、これまでに住民から寄せられた要望を形にしてきた。
企画室が具体化した互助の仕組みは、人通りがまばらな通学路でも安心して下校してもらうための「児童見守り隊」や、独居老人らが公民館で定期的に交流できる「居場所づくり」など。今回の寺子屋も、共働きの家庭が増えていることなどから、実現の可能性を探っていた。
寺子屋の先生役を買って出たのは、児童福祉施設などでボランティア活動を行っている神奈川大学のBBS(Big Brothers and Sisters Movement)会。学生に寺子屋の試みを紹介したNPO法人、サポート平塚の坂田美保子さんは「日頃接している親や教師よりも年齢が近いので、子供たちは大学生に親しみやすいのでは」と、今後に向けて手応えを感じている。
自治連企画室の秋山貢さんも「寺子屋はまだまだ認知度も低いが、住民には好意的に受けとめられているようだ。地域で子供を育てるという形づくりになれば」と期待を寄せる。吉沢公民館の野川達司館長も「大学生が協力してくれるなんて、地域にとっては大変ありがたい。子供たちも喜んでいる」と目を細めていた。
寺子屋に参加している神大生、上野昭彦さんは「教職課程を取っている学生もいるので、こうした機会は僕らにとっても貴重。この小学生が中学生や高校生になった時、今度は先生役になって地元の子供を大切にしてもらえると嬉しい」と、将来像について話していた。
地域自治の新たな仕組み、平成の寺子屋に大いに期待だ。
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