古代の生活浮き彫りに
1995年から18年かけて行われてきた「真田・北金目遺跡群」の発掘調査が、今年3月に完了した。総面積24・5ヘクタールに及ぶ発掘現場からは、両地域の旧石器時代から近世までの歴史を語る膨大な史料が出土した。7月20日から行われる市博物館夏期特別展で、出土品の一部が公開される。
真田・北金目遺跡群発掘調査は、真田・北金目特定土地区画整理事業に伴う埋蔵文化財調査として行われてきた。市博物館学芸員の栗山雄揮さんは「これだけ大規模な調査ができたことに、大きな意味がある」と話す。
県内でも例のない広範囲にわたる発掘調査は、真田・金目地域における時代ごとの生活空間を「点」ではなく「面」として浮き彫りにした。遺跡群からは遺構(谷や建物等の残存物)や遺物(土器や陶器等)を合わせて約5万4千点が発掘された。広範囲にわたる調査だからこそ発見できた遺構をはじめ、史料価値の高い出土品も見つかったという。
その1つが、東海大学の東側から出土した縄文時代の水場の遺構だ。人の手が加えられた形跡があり、水仕事に使われていたと考えられている。木製品も数多く発見され、同地域で営まれていた古代の生活をうかがい知ることができる。
木製品は通常、乾燥した土の中では分解され消失してしまう。栗山さんによると、遺構が水分を含んでいたことから、当時の状態をとどめたままで発見できたのだという。別の場所では、深さ5mの真田城の堀の断面も見つかった。
遺物では、弥生時代のおにぎり状の炭化米が発掘された。調理後の米が見つかる例は全国的にも貴重なケースだ。また、鹿4頭の古代画が描かれた弥生時代中期の壷も出土している。
栗山さんは「これらの史料がどのような歴史を語るのか、これから分析と研究を行っていきたい」と話している。
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7月20日から始まる夏期特別展「真田・北金目遺跡群」では、出土した土器や陶器、銅や鉄の金属製品、木製品、遺構など約1500点が展示され、時代ごとの様相も紹介する。9月8日まで。時間は午前9時から午後5時。観覧無料。
関連事業として、7月20日と8月17日の各日午前10時と午後3時から、学芸員による展示解説が行われるほか、8月31日の午後1時から5時まで、市青少年会館で「第2回平塚市遺跡調査・研究発表会」が予定されている。
問い合わせは市博物館【電話】0463・33・5111。
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