タウンレポート 5カ国語で防災情報 外国籍市民向けにラジオ放送
基本の用語解説から
平塚市は先月からFM湘南ナパサ(78・3MHZ)を通じて外国語による「防災情報」の放送を始めた。月曜日から金曜日の午後5時40分から45分、英語・ポルトガル語・タガログ語・スペイン語・中国語の順に日替わりで届けている。
市は2012年に地域防災計画を改訂し、「外国籍市民への情報伝達の拡充」を新たに盛り込んだ。ラジオ放送はその一環で実施されている。
平塚の外国籍市民は約4千人。放送で使われる言語は母国語とする人が多いと判断された5カ国語で、内容は月替わり。アナウンサーは市の通訳・翻訳ボランティアバンクに登録している外国籍市民が務める。
「防災に関して日本人とは常識的に知っていることが違うので、まず『避難所』『備蓄』などの用語解説から始めたい」と市災害対策課。4月は今後起こり得る地震や風水害、それに備える市の防災計画などについて説明した。今後は、地域コミュニティーの重要性や防災訓練への参加の意義などを伝えていく。
放送開始の素地となったのは「インタナショナル・ナパサ」という番組。市国際交流協会の日本語教室で生徒が社会保険や子どもの教育について情報交換する姿を見て、会員らが市の広報紙から抜粋した生活情報を3カ国語で録音。ナパサに持ち込み、1995年から放送を始めた。東日本大震災直後には、計画停電、ライフラインの窓口、病院などについて収録し、日に数回発信。外国籍の人に「有益だった」と評価されたという。2013年から番組放送は市の協働事業に採用。現在は毎週火曜日の午後7時から8時まで、日本語を含めた6カ国語で放送されている。
同協会会員で「インタナショナル・ナパサ」番組コーディネーターを務める中野恵子さんは、防災情報の放送を「始まってよかった。地震の少ない国の方などには危機感が伝わっていないと思う。短い時間ですが、月1回でも聞いてほしい」と話す。防災情報の英語版アナウンサーであるマイケル・ハバリーさんは「3・11のときはどこに避難すればいいか、津波が来たらどう対処すべきかなど知る術がなかった。放送は有意義で、特に新しい外国籍市民にとって重要だと思います」と語っていた。
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