昨年の震災を受け、市では防災対策の見直しや防災関連予算の増額が見込まれている。そこで、災害時において難題とされる要援護者への対応と自治会での自主防災の現在を考察し、地域防災のあり方を探った。〈中面に関連特集〉
災害時にお年寄りなどを地域でサポートする仕組みを作るために、市は2010年度より「災害時要援護者避難支援制度モデル事業」を市内3つの自治会で進めている。同制度では、独り身のお年寄りや障害者の所在情報を本人の同意を得た上で、市が自治会などに提供。この情報をもとに、自治会は要援護者の「避難支援者」を近隣住民などから選任し、災害情報の伝達や安否確認、避難の手助けを行う。2012年度は事業結果を検証し、市内全域へ普及させるためのガイドラインを作る予定だ。市地域福祉課は「避難支援者の数は足りない状況」と課題を挙げる。
自主防災を見直し
「自分たちのまちは、自分たちで守る」の名のもと、各自治会で活動する自主防災組織が震災を受け、活動のあり方、訓練の方法について見直す動きもある。市危機管理室は、同組織から防災に関する問い合わせが相次いでおり「地域の防災についての認識がさらに高まった」と見る。市は補助金を使って消火器など器材を必要とする防災訓練の実施を促しているほか、消防学校での研修や有識者による防災講演を開き、同組織の活動を支援している。同室は「防災知識の修得に加え、(住民同士の)助け合いもお願いしています」と話す。
近所付き合い密に
要援護者の避難制度作りや自主防災組織の活動から見えてくるのは、災害時に地域を守るのは、住民自身しかいないということ。日頃から防災意識を持つのはもちろん、要援護者の情報など、いかに地域で情報共有できるかが鍵になる。近所同士の連携の重要性がいま、改めて問われている。
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