弥栄中特別支援学級 歌や演奏で被災者と交流 福島を訪問 「元気づけたい」
市立弥栄中学校(和田再生校長)特別支援学級の生徒らは10〜11日、被災者との交流を目的に福島県二本松市を訪れた。生徒たちは、「福島で元気を」と題した演奏会に参加し、被災者に演奏や踊りを披露。生徒たちの懸命な姿に涙する観客も見られた。
この演奏会は、障害者の生活介護・就労施設を運営するNPO法人「きこり」(福山茂理事長)が主催する東北支援事業の一環として行われたもので、同法人では震災以降、支援事業を毎年続けている。今年2月には、福島県浪江町から二本松市に避難している障害者福祉施設の利用者を招き、杜のホールはしもとで音楽会を開催。同学級の生徒が歌や演奏を披露した。ここで被災者と交流を深めたことから、きこりが同校へ福島県での披露を提案し、演奏会参加を呼びかけた。
しかし、支援学級の生徒が宿泊を兼ね遠征することに対し、同校をはじめ保護者らが不安視。一旦は計画が難航していた。それでも、生徒らの「被災者を元気づけたい」という思いは強く、また、きこりのこれまでの実績に学校側が賛同したことで、福島遠征が実現した。
生徒たちは本番へ向け演奏や踊りの練習に明け暮れた。福島についての勉強会も開くなど、当日を「教員以上に楽しみ」にしていたという。
会場が一つに
演奏会には同学級の生徒16人と教員4人らを含む総勢40人以上が参加。地元住民らが見守る中、生徒たちは沖縄の代表歌とされる「島人の宝」や「あしびなエイサー」に合わせ演奏や手話を披露。詰めかけた150人以上の観客もみな一緒になって歌い、手話をした。生徒たちがひたむきに演奏する姿に、公演後も拍手は鳴り止まず、涙を流す人もいた。生徒たちは遠征後、クラスで演奏会の感想を作文で発表。「音が揃って良かった」「みんなを元気づけられて嬉しい」と、笑顔を見せていたという。
演奏会を主催したきこりのメンバーらは、「勇気づけるつもりが、逆に自分たちが元気をもらっていた」と振り返った。きこりでは、今後も被災者との交流を続けていきたいとしている。
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