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麻布大学 「地域防災」住民と連携強化 課題共有し、校内見学

公開:2013年12月12日

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災害時を想像しながら構内を見学
災害時を想像しながら構内を見学

 麻布大学(淵野辺/政岡俊夫学長)は11月30日、同校周辺の淵野辺一丁目自治会と上矢部団地自治会の住民を招いて、「地域防災」をテーマに初の懇談会を行った。同校のグラウンドが市の一時避難場所であることから、災害の際に大学内外で学生と地域住民がスムーズに避難できるように、日頃から地域での連携を強化していくのがねらい。

 同大学の総合グラウンドは相模原市地域防災計画に基づき、淵野辺一丁目自治会および上矢部団地自治会の一時避難場所に指定されている。東日本大震災の際にも避難場所として提供されたが、震災後、大学と地域住民が災害時の避難方法や待機の仕方などを話し合う機会はなかったという。

 懇談会の冒頭で政岡学長は、「今日一日ですべては補えないが、定期的に会を重ね、災害の時には互いの意識を高めて被害を最小限におさえたい」と、今後の定期開催に意欲を見せた。両自治会からは自治会長をはじめ約50人が参加。「夜の正門は開いているか」「雨の場合の対策は」など、住民から積極的に質問が挙げられた。一方、同大学は獣医学部を設置する上で、校内に多数の動物を飼育しており、災害時の飼育施設の開錠・施錠についても一定の基準を設けていることや、劇薬物を扱う建物もあるため耐震性の強化を図っていることなど、避難場所としての特徴を説明した。

 質疑応答後には、職員が構内やグラウンドを案内。まもなく建て替えとなる棟の工事についても見通しを明らかにした。住民らは配布された構内の地図と見比べて熱心に所在の確認に努めた。会に参加した住民は、「麻布大学は大学祭やバザーでよく来る場所。身近な場所だけど、防災という面での対策ができるようになったのは心強い」と話していた。

 今回、大学と住民らは互いに「地域防災」について進展を見せた一方で、構内への避難時に、大学職員と自治会員の間でどう協力体制を築くかなど、それぞれの役割については今後の課題とした。淵野辺一丁目自治会の志儀忠輔会長は「災害時はどうしたらと思っていた矢先、良い機会になった」と話し、上矢部団地自治会の高木喜秋会長は「近くの小さな公園では500世帯を収容できない。もしもの際にはここに避難するしかない」と備えの重要性を訴えた。

 同大学・両自治会では今後もコミュニケーションを取りながら、「地域防災」を強化していきたい考えだ。

学生と住民の協調 活発化

 麻布大学とその周辺の2自治会の住民らが集まって「一時避難所」についての懇談会が行われた11月30日、同大学の学生自治会と生協学生委員会に所属する学生約40人を交え、懇親会も行われた。

 住民らは学生食堂で、学生が調理をしたバーベキューや牛汁に舌鼓を打った。食品科学研究室が手掛けたハム・ソーセージも振る舞われ、動物を扱う大学ならではのもてなしが用意された。防災についての取り組みを示すため、災害に備えて常備されている、水を入れただけで食べられる非常用のご飯も提供。住民と学生の間で、防災に対する意識の向上を図った。

 この懇親会は、今回の「地域防災における懇談会」の開催を受けて、学生らから「私たちも地域の方々と交流したい」との申し入れがあり、実現したという。参加した学生は「通学時や部活動などで近隣の方々にはご迷惑をかけているはずです。今までお話ができなかったのでとても良い機会。何か貢献できることがあれば」と話した。住民らも「自治会の夏祭りなどにもぜひ参加してほしい。若い力を借りたい」と、早速学生たちと意気投合していた。

 政岡学長は、「麻布大学の長い歴史の中でも、このように住民の方を招くのは初めて。これからも地域に根ざした大学でありたい」との考えを示した。
 

学生が用意した牛汁やバーベキューなどが振る舞われた
学生が用意した牛汁やバーベキューなどが振る舞われた

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