相模原市議会は6月定例会議で、「相模原市議会基本条例」を制定した。市議会の基本理念や役割、市民・市長との関係、議員の責務など議会の基本的事項を明示したもので、7会派11議員からなる「議会基本条例に関する特別委員会」(岸浪孝志委員長)から市議会へ議案が提出されていた。同様の条例が市議会で制定されたのは初めて。
同条例は7月1日に施行された。同委員会の岸浪委員長によると市議会では、近年、全国的に同様の条例を定める自治体が増えていることなどを受け、昨年3月に同委員会を設置。専門家の意見聴取や他自治体への視察、会議などを重ねるとともに、インターネットなどで市民からも意見を公募。さらに市民との意見交換会を実施するなどして議案を策定した。
県内の政令指定都市では、2009年に川崎市で、今年4月に横浜市で議会基本条例が施行されている。
同条例は7章、23の条文から構成される。議会の基本的な条項を定めることで、「市議会が市民の負託に的確に応え、議会の使命を果たすことをもって、市民の幸せと持続的で豊かなまちづくりに寄与すること」を目的に作られた。基本理念には「地方分権の進展に的確に対応する議会を目指し、真の地方自治の実現に取り組むこと」を掲げている。
市民が市政などについて自らの要望を提出する請願、陳情について、「請願及び陳情を市民による幅広い提案や意見として位置付け、適切に生かしていくこと」(第4条)などと明記。インターネットなどを活用した情報提供により「市民が議会の活動に参加しやすい環境の整備に努める」(第7条)とするなど、市政への市民参加を意識した条文も盛り込まれた。市議会へは2013年度、18件の陳情が上程されている。請願は0件。
また、有事に対しての意識を高めるため、市議会の活動原則に「大規模災害等不測の事態が発生したときは、迅速かつ適切に対応すること」(第4条)と記した。
「議論を積み重ね、一つひとつ条項を積み上げていった。7会派あれば7通りの意見があり、それを統一させたことに意義がある」と岸浪委員長は強調する。「とりわけ「一層市民に信頼される開かれた議会を目指して、更なる議会の改革と機能の強化に取り組み、市民の負託に全力で応えることを決意」する、とまとめた前文=表=について、「本市の現状分析から今後の展望まで、これだけコンパクトにまとまっているものは珍しいのでは」とし、「自分たちで作ったものなので、市議会として市政を動かそうという意識が高まった。基本理念を明文化したことで、各議員の議会活動に対する意識がしっかりと整理されたのでは」と条例の効果に期待を示した。
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