5月に静岡県・草薙陸上競技場で行われた第26回全日本マスターズ混成陸上競技選手権大会の「十種競技」80歳代の部で、陽光台在住の石川信夫さん(80)が日本新記録で優勝し、優秀選手賞に輝いた。8月には、フランスのリヨンで開催されるマスターズ世界選手権大会へ出場する。
「十種競技」は短・中・長距離走、跳躍、投てきなど10種類の種目の合計ポイントで順位が決まる競技。オールラウンダーとして全ての種目で好成績を残さなくてはならないため、同競技の覇者は「キング・オブ・アスリート」とも呼ばれる。
今大会で石川さんは、得意の走り高跳びや槍投げなどで着実にポイントを重ね、80歳代の部で日本記録を塗り替えての栄誉。75歳代の部で出場していた時代より、総合ポイントも向上した。
過去に国内大会で5連覇を達成するなど「鉄人」の異名を持つその力は、80歳の今も健在だった。
一方で「砲丸投げや円盤投げで失敗したため、満足はしていない」と石川さん。今回は通過点に過ぎず、あくまでも目標は「8月にフランスのリヨンで開催される世界選手権での金メダル獲得」と前を見つめる。
石川さんが世界選手権の金メダルにこだわるのには理由がある。4年前のアメリカ・カリフォルニア州サクラメント市で開催された世界選手権。ハードル競技で足を引っ掛け転倒。世界で銀メダルこそ獲得したものの「あと少しだった」という思いが強い。
石川さんは「あの日から、忘れ物をしてしまったという気持ちで、フランス大会に向けて練習してきました。今度こそ、金メダルを持ち帰ります」と意気込む。
練習では、家の庭にロープを吊るすなど、工夫を凝らす。今年から始めた棒高跳びにも手応えを感じている。子どもたちの陸上練習にも付き合うほか、毎朝108回の腹筋練習は日課だ。本番まであと少し。生涯現役で忘れ物を取りに行く。
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