社会福祉法人アトリエ(中央区/磯部伸之理事長)が運営する知的障害者の生活介護や就労支援を行う施設「オルタレゴ」が4月、相生に開所した。民家を改修して造られた同所。従来の福祉施設の枠にとらわれず、障害者と健常者が分け隔てなく向き合える空間づくりをめざしている。
障害者を庇護するだけの場にとどまらない施設運営を行っていくことが同法人の理念。障害者の価値を健常者の目線で引き出すのではなく、障害者が持つ物事をニュートラルな視点で捉える感覚を、障害者と健常者の垣根を超えて向き合うことで学び、発信する場にしたいとの思いだ。
同法人がまず取り掛かったのが場所選び。相生の民家を施設の場として選んだ。民家は築45年の木造2階建てで、大幅な改修が必要だった。そこでスタッフが改修業者を探したところ、ボランティアで民家の再生を行っている芝浦工業大学(東京都)の学生団体「空き家改修プロジェクト」と出会い、改修を要請。基本的なコンセプトを伝え、ほとんどを同団体に任せた。あわせて、地元の工務店や電気店、畳店なども改修に協力。施設立ち上げの段階から、同法人だけでなく地域住民をはじめとするさまざまな人がかかわった。
改修された建物は、誰もが入りやすい空間づくりのコンセプトが色濃く反映された構造に。庭の塀や天井、壁はほぼ取り払われ、玄関から廊下に進むとすぐにオープンスペースが見える。6月には内覧会を開催。障害者が案内役を務めるなど、地域との交流を広める機会を設けた。
現在、利用者(15歳以上)の募集も行っており、見学なども随時受け付ける。磯部理事長は「より多くの人が来やすい空間にし、様々な交流を生むことで、障害者が持たれがちな固定概念を変えるきっかけになれば」と話している。
詳細は同所【電話】(042・707・4600)またはHP(www.alterego.or.jp)へ。
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