緑が丘2丁目独立防災隊 災害備えトリアージ訓練 「救える命を救うため」
災害時など、傷病者をその重症度や緊急性で分別し、治療をスムースに行うための「トリアージ」の訓練がこのほど、光が丘地区の緑が丘2丁目独立防災隊連絡協議会(堀口眞会長)主催により実施された。市内では総合防災訓練の中の一部として行われることはあるが、トリアージに特化した訓練は珍しいという。
トリアージとは災害時、傷病者に対して医療従事者の数や資源が不足している状況で最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定すること。1995年の阪神淡路大震災時、多数の死傷者が発生する中、病院では怪我の具合に関わらず傷病者を処置していたため、優先すべき重傷者の発見と早急な措置が後手に回る事態が起こっていた。こうした事例により、優先度を明確にするトリアージの必要性が徐々に叫ばれ始めていった。
こうした中、マグニチュード7・1相当の相模原市東部直下地震の発生を想定した2014年の「相模原市防災アセスメント調査」の中で、光が丘地区では重傷者33人、軽傷者211人の人的被害が見込まれた(冬午前2時の発生の場合)。同隊では「自分たちの手でできることを」という考えに基づき、これらの傷病者をいち早くスムースに避難所や救護所に運ぶことができるようにと、訓練の実施を立案。災害時の医療体制について、元看護婦長であった隊員の指導のもと以前から講習会などを実施し、トリアージについて理解を深めてきた。
応急手当も
当日の訓練では、防災隊の役員や隊員らに加え地区マイスターや見学人を含む計75人が参加。災害時さながら、大きなうめき声をあげ叫ぶ傷病者役の隊員を、その重症度により「赤」(ただちに処置を必要とするもの)、「黄」(生命に危険が及ばないもの)、「緑」(軽度の傷病)、「黒」(すでに死亡または蘇生の可能性がないもの)の4手に分け、災害時の動きを確認した。加えて同隊では毎月、簡単な応急手当を学ぶ講習会を開いており、訓練当日も、火傷や出血、目の怪我などを負った傷病者を見立て、応急処置を施す訓練を行った。訓練後、参加者からは「この訓練をもっと広げていってほしい」といった意見が挙げられるなど、一定の成果が見られた。
堀口会長は「何度も訓練を重ね、動きを確認していくことが大事。救える命を救うためにも、今後も継続していく」と話している。
同訓練は、神奈川県下では厚木市や海老名市などで病院が主体となり実施されている例があるが、今回のように自治会単位で行われることは稀という。
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