市内では7月21日から公立小中学校が夏休みを迎える中、相模原市消防局は夏場に増加する「水の事故」へ警戒を強めている。夏本番の最中、10日には相模川で高校生の水難事故が発生。河辺でのレジャーが増えることから注意を呼びかけている。
市内で発生する水難事故の多くは河川で起きている。夏場になると市内を流れる相模川、道志川にはバーべキュー利用などで大勢の人が訪れるが、その中で事故に遭うケースが多くを占める。過去、市内で発生した事故の中では、飲酒後に遊泳し溺れてしまうケースや泳いで川岸まで渡ろうとし溺れてしまうケースが複数回起きている。
10日には、相模川に架かる高田橋の上流約500mに位置する農業用水を引き込むための頭首工付近で、川に飛び込み遊んでいた高校生が心肺停止の状態で発見される事故が起きた。同局によると、頭首工では過去にも事故が起きており、「頭首工には堰があり川幅が急に狭くなっているため、流れが速くなる非常に危険な地点」と指摘する。
繰り返す事故対策難しく
河川の調査・研究を行い、水難事故防止への啓発活動にも取り組む(公財)河川財団が、2003年から2017年までに各報道機関で報じられた水難事故を分析した報告書によると、相模川での事故数は41件で全国の河川の中で4番目に多いとされる。
同報告書では都市部からのアクセスが良く、レジャーでの利用者が多い河川で事故が多発している傾向にあると指摘しており、相模川もその条件に一致する。都内から車で2時間以内の距離で、高田橋付近の河川敷は無料で使用できることもあり、休日はバーベキューなどを目的に多くの人が訪れる。過去にはそうしたレジャー客が川に入り、水難事故に遭うケースが繰り返されてきた。
相模川を管理する県厚木土木事務所では、事故防止に向けて河川敷に看板やのぼりを設置し危険な遊泳を控えるように周知するなど対策を講じているが、事故は毎年のように起きているのが現状だ。事故防止への対応として遊泳禁止という案もあるが、同事務所の担当者によると「法的な根拠がなく、そうした措置は検討していない」と話す。
「子どもを一人にしない」
市消防局では水難事故を防止するためには「子どもから絶対に目を離さず、一人にしないでください。大人は飲酒後の遊泳は非常に危険なので、控えるように注意してください」と話す。加えて、溺れている人を発見した場合は「まずは消防に通報し、その上で浮力のあるペットボトルなどを投げ入れてください。二次被害を防止するため、むやみに助けに行くことは控えてください」と呼びかけている。
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