区内小山にある神奈川医療少年院(澁谷伊織院長)が今年3月末で閉庁する。これに伴い、10日には式典「さようなら神奈川医療少年院ありがとう相模原」が開催され、同施設の関係者や関連団体のほか、同施設での少年の矯正教育に様々な立場でかかわってきた地域住民らも足を運んだ。
神奈川医療少年院の前身は、1947年に東京都渋谷区に設置され、49年に収容を開始した東京少年院(51年に東京医療少年院に改称)。小山の地には当時、神奈川少年院があったが、78年に閉庁したのに伴い、その跡地に東京医療少年院が移転。神奈川医療少年院と名称を変え、同年から41年もの間、歴史を積み上げてきた。
神奈川医療少年院は、家庭裁判所の審判で保護処分の執行の決定を受けたおおむね12歳から23歳までの男子少年のうち、知的障害またはその疑いのある者、情緒障害もしくは発達障害またはその疑いのある者で、それに準じた処遇を必要とする者を収容し、矯正教育などを実施する施設。現在は、北海道から関東圏の少年約50人が在院。在院者は、日々の生活指導と治療的指導により、基本的な生活習慣を身に付けると同時に、再度非行に走らないための指導や職業指導を受けることで、社会復帰をめざしている。
同施設では、少年たちが退院後にスムーズに社会になじめるようにするのと同時に、施設に対する地域の理解を得る目的で、様々な場面で地域との交流の機会を設けてきた。同施設で行われる教科指導では、元教員の地域住民を外部講師として招き、障害特性に合った「楽しくわかりやすい授業」を実施。体育指導では地元サッカークラブ・SC相模原の協力を得てきた。あわせて、盆踊りや運動会には地域住民を招待し、市内の保護司との交流も積極的に行った。そして、外出が可能であると判断された少年については、社会貢献として市内の特別養護老人ホームに赴き、介護のサポートを行う活動に取り組んできた。10日の式典では澁谷院長が「民間や地域の皆さんに支えられてきた」と感謝の言葉を述べた。
今後、同施設は関東医療少年院とともに東日本少年矯正医療・教育センターとして東京都昭島市の国際法務総合センターの敷地内に移転。跡地は法務省の管理下に置かれる。その後の活用法などについては未定だ。
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