田名中学校3年の佐々木威風(いふう)さん=田名塩田在住=は6月19日、川崎市で行われた第33回全国都道府県中学生相撲選手権大会県予選会(県相撲連盟主催)中学男子軽量級(75kg未満)で優勝を収めた。これにより県代表として全国大会に駒を進めた威風さんは、「兄を超える結果を」と意気込みを見せている。
県予選会男子中学生の部では無差別級と軽量級が実施され、トーナメント方式で競い合った。無差別級は上位3人、軽量級は優勝者のみが県の代表として全国大会への切符を獲得できる。
同大会に初めて出場した威風さんはどちらの級にも挑戦。無差別級では2試合目で惜しくも敗れ涙をのんだ。その後行われた軽量級には20人が出場。威風さんはわずかな時間で気持ちを切り替えると、「押し出し」などの技を決め決勝戦まで進出。相手のまわしを取って前進し、土俵の外に出す「寄り切り」で見事優勝をつかんだ。
「父と近くの公園で毎週稽古をしていたことが今回の結果につながった」と元力士の父・春光さんへの感謝を語った威風さん。春光さんは「コロナ禍で試合の経験がなかなか積めない中、よく優勝できた。普段は表に出さない気持ちの強さが見えた」と息子の戦いぶりを称えた。
幼い頃から道場に
威風さんが相撲を始めたのは幼稚園児の頃。当時小学2年生だった6歳上の兄・主税(ちから)さんに連れられ、「いつの間にか相撲をやっていた」と振り返る。兄の背中を追いかけて道場に通い、小学4年生で県大会を制覇、関東大会に出場した経験を持つ。一方で、「5年生になる頃、嫌になってしまって」と一度相撲から離れた時期も。友達の誘いで始めた野球に熱中するも、なかなか結果に結びつかず悩んだ。どうすれば自分の個性を生かすことができるかと考えた結果、得意な相撲の道でもう一度勝負することを決意し、昨夏復帰。「野球での体づくりや友達との出会いは、いい経験になった」。今も野球を続けており、仲間も今回の優勝を大いに喜んでくれたという。
俊敏さ武器に32強超え狙う
「相撲の魅力は体の大きさで勝敗が決まらないこと」と威風さん。得意技は相手の脇に手を入れ、自分の体を開いて倒す「肩透かし」だ。体の大きい選手ではないが、野球で培った俊敏さが武器になっている。春光さんも「人より素早く、鋭く動けば勝機を見出せる」と背中を押す。
全国大会の目標は、兄が中学生の時に無差別級で達成したベスト32を超えること。追いかけてきた兄の背中を今度は追い越そうと、7月24日大阪府で開催される全国の舞台に臨む。
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