今年度から小学校で必修化された外国語活動の時間に対応するため、市教育委員会はこのほど、デジタル教材ソフトを開発した。新しい授業のスタートで戸惑う教員に、指導法の一つとして提示する。市内の全小学校、全クラスに設置されている大型デジタルテレビを活用し、画面に映されたクイズやゲームで外国語に慣れ親しめる作り。授業の狙いでもある、「外国語を通じた児童同士のコミュニケーション」が深められる工夫もなされている。
外国語活動のスタートにあたり文科省から委託を受けた市教委は、有識者や市内の研究推進校3校(上鶴間小・相模台小・東林小)らで委員会を結成。昨年10月から半年間をかけて、教材の開発に取り組んできた。
開発された教材は2種。【1】すぐに授業で活用可能な「提示型教材」と、【2】教師が写真や音声を組み合わせてオリジナルを作成できる「テンプレート型教材ソフト」。いずれも、テレビ画面に映されたゲームやクイズに、数や色、野菜や動物といった簡単な単語で児童たちが答えるスタイル。アニメーションを多用し、ネイティブによる音声を組み込むなど、視覚的・聴覚的に子どもの関心を引くものとした。外国語活動はいわゆる英語の授業とは異なり、外国語をツールとしてコミュニケーションを取ることも狙いの一つ。ゲームやクイズ形式をとることで、子ども同士が話し合い、互いに質問し合う機会の創出にもつながる。教材を使った授業では児童の反応も良く「興味を持って授業に臨んでいた」と開発に関わった上鶴間小の塩野先生は話す。
全国に広がれ
事務局・市立総合学習センターでは、開発後、市内各校に教材を配布。広く利用を促すため、小中学校の教員を対象とした教育研究発表会でも実践報告を行った。今後は全国にも広めようと、HP上から指導法の解説書をダウンロードできる上、教材を使った授業風景の動画を閲覧できる環境を整えている。「現場でどう指導したら良いか分からない先生も多いと思う。活用してほしい」と同センター。加えて「工夫次第では、他教科に発展できる可能性もあるのでは」と今後の展開にも期待をにじませた。詳細はURL http://www.sagamihara-kng.ed.jpへ。
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