上溝に市場が開設された昭和初期に作られ、当時の賑わいの様子や名所旧跡を歌詞に盛り込んだ「上溝シャンソン」。この楽曲の残された歌詞を3年ほど前に目にしたことを機に、地元の有志メンバーが復活に向け活動を開始。曲が不明で一時は作業が難航したものの、このほど原曲にアレンジを加えた形で、「新・上溝シャンソン」が誕生した。
「味のある、すごく良い歌詞だと思いました」。上溝シャンソンを復活させる会(清水紳一郎会長)のメンバーの一人、田口孝平さんはこう語る。今から80年前となる昭和初期の上溝の賑わいや、今となっては知る人ぞ知る名所旧跡が12番までに渡って歌われている。「その半分くらいは、現在は見られない景色だけど、当時を表しているんだと思う」と感慨深く話す。
田口さんと、同じく同会メンバーの嶋田虎明さんは3年ほど前、上溝公民館に偶然貼り出されていた同歌の歌詞を目にした。地元で歌を知る人はなかなか見つからなかったが、地域の歴史や文化の研究・発表を行う相模原郷土懇話会の会報に歌詞が掲載されていたことが判明。せっかくだから歌を現代に蘇らせようと動き出した。しかし曲については不明で、録音された記録やレコード化された形跡もなく、作業は難航。そんな中、懇話会メンバーの一人が、古老が歌ったテープを発見。一気にシャンソン復活への機運が高まった。
町おこしの一助に
復活にあたっては、地元で多くの人に親しんでもらい、さらに町おこしの一助にもなればと、明るい盆踊り調に編曲。歌詞はそのままに、5番までの縮小バージョン(約4分30秒)とした。現在は、11月に開催される上溝酉の市でのお披露目発表会に向けて準備中。地元の踊りサークルのメンバーらを中心に楽曲をCD化すると同時に、上溝在住の振付師に盆踊りの振り付けを依頼。歌い手、踊り手の練習がスタートするなど、着々と準備が進んでいる。「上溝には地の歌がないんです。先輩方が作った歌を申し送ることも大切なこと。地元の歌として愛着をもってもらえたら」と田口さん。来年の夏祭りでは、上溝シャンソンに乗せて地元の子どもから大人までが踊る姿が見られそうだ。
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