矢部駅 ふれあい地下道を改良 利用者要望で段差減らす
JR横浜線矢部駅東側の矢部踏切を廃止し、今年2月に新たに供用開始された「矢部駅ふれあい地下道」について市は、一部利用者からの「自転車を押して上がりにくい」といった声を受け、近く上り階段の段差を減らす改良工事に着手する。2014年度中の完了をめざす。
同地下道は駅の北口と南口をつなぐもので、1日に1000人以上が利用している。設置前は、駅東側にあった矢部踏切が線路の往来に利用されていたが、幅員が1・8mと狭小だったため、歩行者と自転車の接触事故が長年懸念されていた。こうした中、地元の自治会や商店街などで構成する「矢部駅周辺まちづくり市民の会」の要望などを受け、市は2011年夏に着工。自転車も降りて通り抜けできる地下道として今年2月に供用を開始し、その時点で未完成だった南口淵野辺側の階段部分も9月末に工事を終え、完成した。
一方、2月の供用開始以降、市には「自転車を押して上がりにくい」、「自転車を上げるスロープが狭い」などの声が30件近く寄せられていた。現在の構造は、日本道路協会が定める立体構造施設の一般的な勾配が1mで25cm上がるのに対し、1mで15cm上がる構造となっており、標準より緩やかに作られている。しかし、市へ意見を寄せた人は多くが高齢者で、「(自転車を押し上げるのが)きつい」と感じる人が多かったようだ。
昇り階段増やし調整
こうした意見を踏まえ、市は階段を改良したサンプルを作り、6月に現地で実証実験を実施。通行人に実際にサンプルの階段を体感してもらい、より昇りやすくするための改良方法を研究した。その結果、勾配は現状維持にしつつも、昇り階段のみ1mあった階段と階段の間にもう1段増やす工事を決めた。自転車を通すスロープの幅が狭いという意見については、スロープの幅を昇り側だけ現況の30cmから50cmに広げる。担当の市道路整備課は「改良工事で終わりではなく、その後も利用者の状況を注視していきたい」と話した。
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