相模原市立博物館レポvol.8 学習資料展「ちょっと昔のくらし」 学芸員 指導主事 福井智之
写真の机を使われた経験をお持ちの方はいらっしゃいますか?これは、かつて小学校で使われた二人がけ児童用学習机です。この学習机を使用された経験をお持ちの方に当時の思い出を伺うと、ほぼ全ての方が「同じ机を使う友だちと陣地を争いました」という、何とも穏やかでないエピソードを楽しそうに話してくださるのが印象的です。
現在開催中の学習資料展では、この学習机をはじめとした「ちょっと昔」に使われていた道具を展示し、小学校社会科の学習をサポートする事を目的としています。この学習では、様々な生活道具が電化される前から電化後、そして現代までの主な生活道具の変遷と人々の暮らしの変化について学びます。しかし、多くの家事がボタン一つでできるようになった現代の子ども達に、生活道具の変化に伴う暮らしの変化をイメージすることは難しいことかもしれません。
生活道具の変化に伴い人々の暮らしが大きく変わったのは、概ね1960年代のことです。住まいは木造の家屋に代わって、コンクリートの集合住宅が登場し、生活の洋風化が進みました。当時建設された団地は、2DKと3DKの間取りが中心で、キッチンはタイル張り、トイレも洋式が登場しました。電化製品も様々なものが登場し、特に白黒テレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機は「三種の神器」と言われ人々のあこがれの的となりました。家事にかかる時間が大きく減り、余暇を楽しむゆとりが生まれたのがこの頃でした。
今回の学習資料展では、小学生の学習に合わせ衣食住に関わる道具の移り変わりを中心に展示いたしました。また、この時代の一般的な家庭の居間や台所、学校の教室を再現したジオラマ展示も行っています。これらの展示を見たり、体験したりする中で、当時の人々の暮らし振りに気付き、昔の人の知恵や工夫について感じていただければと思います。
学習資料展の関連事業として1月8日,15日,29日,2月12日(全日程日曜日)に、市民学芸員(博物館ボランティア)による昔の遊びや紙芝居を体験できる「チャレンジ体験コーナー」、展示資料を使ったレコード演奏、ジオラマ内での写真撮影も行っています。皆様の御来館をお待ちしています。
■相模原市立博物館【電話】042・750・8030
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