近年、県内の振り込め詐欺被害が増加しており、昨年度は被害件数、被害額ともに過去最悪を記録した。相模原市でも今年に入って被害が増加。9月末の時点で認知件数が前年同月比2件増の30件、合計被害額は同約1300万円上回る約4650万円を記録している。キャッシュカードと暗証番号をだまし取り、犯人自らATМで現金を引き出す特殊な手口も横行。区や自治会では様々な対策を講じるなど、被害の増加が予想される年末に向け、地域を挙げ警戒を強めている。
横山地区では同地区敬老事業実行委員会が、振り込め詐欺被害を未然に防ぐために、被害状況を再現した寸劇をこのほど考案した。同地区では以前から、防犯連絡協議会が中心となって定期的に防犯に関する講演会を開催するなど、地域の安全確保に努めてきた。一方近年は、犯人が「キャッシュカードが悪用されているため一旦預かる必要がある」といった電話を被害者にかけ、自宅に押し掛けた偽の銀行員らがキャッシュカードをだまし取り、暗証番号を聞き出すという手口が横行。こうした現状を知った同実行委員会のメンバーらが、地域住民へ向け新たな普及啓発が必要と判断。より印象に残るようにと、今回初めて講演会ではなく寸劇での啓発を図った。
今回考案された寸劇は、犯人から電話を受けてから、キャッシュカードと暗証番号をだまし取られるまでの一連の流れを同実行委員会のメンバーが実演するもので、9月には、同地区の高齢者が集まる敬老会で初めて披露した。メンバーは「同じ地域の住民が演じることで、詐欺は誰にでも起こりうる身近なことだということを感じられる。みなさんの反応も想像以上で考案してよかった」と話している。
「ゼロ運動」展開
星が丘地区では、昨年の12月に同地区の自治会連合会や民生委員・児童委員協議会、社会福祉協議会、高齢者支援センターらが協力して「地域の高齢者の生活を考える会」を設立。その活動の一つとして「星が丘詐欺ゼロ運動」を展開している。
具体的には、啓発用のチラシを作成し、地区内で配布。加えて、不用意に電話を取らないよう、高齢者支援センターが中心となって留守番電話の設定を呼びかけている。設定の仕方がわからない高齢者には説明を行うほか、留守電に対応していない機種の際は、本人が希望し、センターの職員などが必要だと判断した場合に限り、自治会連合会で電話機の買い替えの補助金として5000円を支給している。
一方、同地区千代田4丁目自治会では金ヶ江實会長が「詐欺被害0運動応援歌 未来(あした)の為に」を作詞(作曲・編曲は月川健人さん)。皆で歌うことで詐欺被害防止の一助とするために、地区内のイベントなどでの披露を考えているという。
同地区自治会連合会の竹田幹夫会長は「継続的にできることから取り組むことで、少しでも詐欺被害を防止できれば」と話している。
相模原署と区も連携
相模原署と区役所地域振興課でも詐欺撲滅に向けた運動に取り組んでいる。10月30日には、市役所庁舎前で詐欺撲滅キャンペーンを実施。警察官と同課の担当らが市役所を訪れる人々に啓発用のチラシなどを配りながら、近年多発する詐欺の手口を説明し、迷惑電話機能付電話機や留守番電話サービスを案内した。
区では「地域・警察・関係団体と連携し、様々な機会を通じて詐欺被害防止の啓発に努めたい」と話す。相模原署でも引き続きキャンペーンなどを通して普及啓発していく構えだ。不審な電話を受けた場合など相談は相模原署生活安全第一課【電話】042・754・0110へ。
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