相模原市消防局は救急隊の労務負担を軽減するため、資器材の管理・供給を民間業者に委託する「救急資器材管理供給業務」(SPD)の運用を、市内5カ所の消防署内で7日から開始した。県内での採用は横浜市に次いで2番目。出場件数が年々増加する中、消防では同システムの導入により、救急隊員の作業負担が軽減され、救急活動により専念できる環境が整備されるとして期待を寄せている。
相模原市の救急出場件数は3年連続で増加しており、2018年は3万7498件で過去最多を記録。高齢者の搬送人員も増加していることから、市消防は高齢化社会の進行が最多救急出場件数の要因の一つとして挙げており、今後も出場件数に比例し隊員の労務負担が増加すると見込んでいる。
そこで対策の一つとして今回、相模原本署、緑が丘分署をはじめ市内5カ所の消防署で導入されたのがSPDだ。
SPDとは感染症防止用の手袋、マスクなど約130品目の救急資器材の調達、購入、使用、補充を民間業者が一元化して管理するシステム。導入により、これまで隊員が日々の作業の中で行っていた在庫管理や補充などを委託業者が請け負うため、隊員の作業量を削減できるようになる。
廃棄抑制・迅速な対応へ
導入によるメリットは主に「資器材の廃棄抑制」と「緊急時の迅速な対応」だ。「資器材の廃棄抑制」としては以前は隊員が使用量を予測し調達していた資器材が、今後は使用した分だけ業者が補充するため過剰な在庫を持つことを防ぎ、コスト削減につながるものとされる。
「緊急時の迅速な対応」は、大規模災害や感染症大流行などが起こり大量の資器材が必要となった際に、業者が代行していち早く必要な資器材を消防署に届けられるようになるため、救急活動に専念することができる。
消防ではこうした労務軽減により生まれた時間を訓練や出場準備にあてていく考えで、さらなる救急活動の向上を図る構えだ。担当者は「効率化と緊急時への対応を強化し、安全で安心してくらせるまちづくりをめざす」と話している。
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