緑区大島にある相模原総合高校(小松巌校長)で10月21日、生徒たちが校舎に描いたオリジナル壁画が保護者向けに公開された。この日は文化祭当日。同校は2023年度から城山高校と再編統合し、城山高校の校舎を使用することが決まっているため、統合を前に「自分たちが通っていた証を残したい」という思いで製作された。
同校の文化祭では例年、旗など取り外しのできる校舎装飾を製作してきたが、今年は再来年度の再編統合を視野に、「校舎にずっと残る装飾を作れないか」と検討していた。そうした中、今年3月、美術部が校内階段踊り場にオリジナル壁画を製作。それを見た生徒会の生徒が「同じように校舎全体に絵を描きたい」と提案し、6月からオリジナルデザインの検討や製作準備を始めた。
キャンバスは校舎沿いに設けられた花壇「緑のプラザ」の壁面と、職員用玄関・生徒用昇降口付近にある柱12本。メインとなる緑のプラザ部分のテーマは「虹の壁」。見た人の気持ちが少しでも明るくなるよう、できるだけ晴れやかな色調を意識した。各クラスが塗装を担当した柱は、雪だるまや花火など日本の四季をイメージ。「現校舎での楽しかった学校生活を記憶と形に残したい」と約500人の生徒と教員たちが一人一人、壁画内に手形を残した。
文化祭当日は、コロナ対策のため在校生と保護者のみが来校。保護者が壁画を写真に収めようと撮影して回る姿が散見され、生徒たちも達成感に包まれていたという。生徒会を担当する前原彩教諭は「校舎の外壁に描いたことで、また保護者や地域の方に見ていただける機会もある」と話した上で、「学校全体で一つの作品を作り上げる、という大きな目的があったおかげで文化祭も盛り上がった。コロナの影響でなかなか思うような学校生活を送れていないが、この学校の生徒として楽しんで日々の生活を送ってほしい」と在校生にエールを送った。
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