大山ケーブルカーが50年ぶりに代替わりすることに伴い、5月17日(日)午後5時の最終電車が、現行車両のラストランとなる。翌18日から9月30日までは運休となり、10月1日に新型車両がデビューする予定。観光客や登山者の足として、半世紀にわたって活躍した1号車「おおやま号」と2号車「たんざわ号」。現場からは惜別とねぎらいの声が聞こえる。
「大山鋼索鐵道」の名で1931年に開通した大山ケーブルカーは、太平洋戦争による廃止を経て、1965年に営業を再開した。
あれから50年。節目を迎えたことに加え、設備の老朽化もあって車両の入れ替えが決定。運休中にはレールや枕木の入れ替えも行われる。4カ月半におよぶ運休は戦時中の廃止後、およそ20年の運休に次ぐ長さ。
「やっぱりさみしいですね」。こう語るのは、巻上(まきあげ)所長として37年間にわたりケーブルカーを運転してきた佐藤順一さん(59歳)。
乗客を安全に運ぶには人間の技術だけでなく、車両に対する信頼も必要といい、「車両には愛着があります。今まで無事故で来られた感謝を伝えたいです」と佐藤さん。来年、定年を迎えるが「新車両にも誠意をもって接したいと思います」と話した。
「最後はお客様全員にご乗車いただきたいです」。こう話すのは、同社総務課長の古住博さん(49歳)だ。
古住さんは、現行車両がデビューした1965年7月の生まれ。八幡台出身で、ケーブルカーには少年時代からよく乗ったという。「1号・2号と私は同級生。感謝をもって送り出したいです」と古住さん。ラストランの前にはセレモニーが行われ、5時までに集まった全員を乗車させる方針。その際には増便も行われる。
現在、大山ケーブル駅では50年の軌跡展を開催中。
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