伊勢原中学校(高橋俊一校長/生徒数890人)で11月4日、全校生徒を対象に「不審者対応教室」が開かれた。平塚市立岡崎小学校教頭の對木佳史さんが講師を務め、1時間にわたっていざという時の心得などを話した。
「コンビニと学校、不審者がやって来て怖いのはどっち」。体育館を埋め尽くした生徒たちからは、なかなか答えが返ってこない。對木さんは続ける。「不審者はお金目的でコンビニに来るが、学校に来る目的は皆の命なんだ」「自分の身は自分で守れ。そのためには普段から頭で考えることが大切」と畳みかけた。
講演の途中には對木さんと同校の先生たちによって寸劇も行われた。不審者が突然教室に侵入して生徒を襲う場面が披露され、不審者役の對木さんがナイフを振りかざすと、生徒は一様に驚きの表情を浮かべた。
「不審者に遭遇した時、迷わず逃げるには普段から危険を意識することが大事」。對木さんは日ごろから危険に備えるよう呼びかけた。講演後、同校の佐伯侑香さん(3年)は「下校時に不審者に追いかけられた友だちもいる。気をつけたい」と話した。
對木さんは日本柔術や居合の有段者で、不審者対応に関する著書も執筆する異色の教師。今年7月、同校の小川一之教頭が研修会で對木さんと知り合い、生徒の安全確保について意見を交わすなかで、今回の講演が決まった。對木さんは平塚市内の小学校で講演を行っており、武術の考えをヒントに迫真の寸劇などを交えた授業は、教師や保護者からも好評。伊勢原では今回が初の講演となった。
小川教頭は「自分の身は自分で守る、という意識を生徒一人ひとりが強く持ってくれれば」と話した。
大声が有効
伊勢原警察署(廣瀬豊署長)の生活安全課によると、今年に入り11月6日現在、市内で未成年・成人が下半身を触られる、抱きつかれる、性器を露出されるといった不審者事案の認知件数は67件にのぼっている。
同課の熊澤誠課長は「被害届のないものも含めれば100件を超えるのでは。不審者に遭遇したら、とにかく大声を出して、その場から逃げることが有効です」と話している。
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