神奈川工業技術開発大賞 地すべり検知器に栄誉 株式会社イ・エム・テクノ
県内の中小企業が開発した優れた技術や製品に贈られる『神奈川工業技術開発大賞』(主催/神奈川県ほか)が10月2日発表され、市内鈴川の(株)イ・エム・テクノ(遠藤郷平社長・73歳)が開発した「設置が簡易な可搬型地すべり検知器と伝達システム」が奨励賞に選ばれた。
神奈川工業技術開発大賞は、3年以内に開発・商品化され、産業の発展や国民生活の向上に役立つ技術や製品に贈られる。30回目となる今回は、県内から63件の応募があり、大賞2件、ビジネス賞2件、奨励賞3件が選ばれた。また、過去には1984年、1985年、1996年に伊勢原市の企業が大賞を受賞。各賞含めて17年ぶりの受賞となる。
今回同社が受賞した地すべり検知器は、設置場所に制限があり、大きな地盤の移動以外は測定が困難だった従来に比べ、低コストで簡単に設置でき、地盤のわずかな移動も高感度で測定できる。また、そこで感知した情報を中継局まで送信し、防災拠点へ伝達するシステムも開発。これにより、危険な地区の住民により早く避難を呼びかけることも可能になるという。
同社はミトミ技研(厚木市)で取締役技術部長を務めた遠藤社長が定年後、「人の役に立つ仕事がしたい」と2006年に設立。遠藤社長はミトミ時代に地すべりに関する特許や実用新案を取得しており、長年の経験を生かしながら、電子機器や防災関連機器、システムなどの開発、販売を行っている。今回の受賞をうけて「開発した商品が認められることはありがたいこと」と喜びを語る。
魅力ある企業へ
市内の土砂災害警戒区域・特別警戒区域は計140カ所。遠藤社長は今後の自然災害はアメリカ型の、自己責任という考え方が普及するのではないかという。次の目標は、家庭でも取り付けが可能な小型・低コストの感知器。「これからも魅力ある商品を作っていきたい」と意欲を見せた。
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