次世代の移動サービスと医療を融合させ、超高齢化社会に対応した仕組みの構築を目指す実証実験が4日、村岡東の「湘南ヘルスイノベーションパーク」(湘南アイパーク)で始まった。20日まで地域住民らが参加し、蓄積したデータを技術開発に役立てる。
「ヘルスケアMaaSが拓く地域コミュニティの未来」と題して湘南アイパーク、横浜国立大学、湘南鎌倉総合病院、三菱商事(株)が主催した事業の一環。県、藤沢、鎌倉両市、湘南アイパーク、同院の5者が締結した覚書に基づいて昨年に続き実施した。
実証実験では、患者が自宅から病院まで移動すると想定し、自動運転バスが敷地内を10分間、時速約10〜16Kmで走行。昨年は一定の条件下でシステムが自動走行する「レベル3」だったが、今回は完全自動運転する「レベル4」に引き上げた。
車内では心電図、血圧、酸素飽和度、体温などのデータを計測し、オンライン診察を体験する「デジタル問診」も実施=写真。移動中に計測や受付を済ませ、将来的に診察の待ち時間を大幅に減らすなど患者の負担軽減を図る狙いがある。
湘南アイパークの担当者は「ヘルスケアMaaSに関する最先端技術の実装を目指し、地域の皆様と共創していきたい」と話した。施設周辺ではJR東海道線の新駅誘致を念頭に健康医療分野を基軸にしたまちづくりが検討されている。