藤沢市などが2021年から2期に分けて進めてきた江の島サムエル・コッキング苑の改修事業が完了し、16日、リニューアルオープンした。既存の姉妹都市・長野県松本市との交流施設を一新したほか、展示体験型施設を新設。市はこれまで推進してきた「夜型観光」に加え、日中に楽しめる要素を拡充することで観光客の回遊や滞在を促し、江の島や周辺地域への経済波及効果を図りたい考えだ。
第2期工事では松本市の観光PR施設「松本館」を、同市のリンゴを使ったアップルパイなどを販売する専門店に刷新。工区周辺を藤沢の「海」と松本の「山」にちなんで「UMIYAMA PLAZA」と命名し、同館も同市との交流を深める場として名称を「海山堂」と改める。
新設した展示体験施設「海山ギャラリー」(高さ5m、延べ床面積99平方メートル)では植物園にちなんだワークショップや、湘南ゆかりのアーティストによる作品を展示。周辺にはウッドデッキも整備し、ベンチも設けた。
オープン初日には記念式典が行われ、藤沢、松本両市長や同苑指定管理者の江ノ島電鉄、観光関係者など約50人が出席。あいさつに立った鈴木恒夫市長は「江の島の魅力を発信するのはこれから。今まで以上に注目度を高めたい」と述べ、同電鉄の楢井進社長は「江の島を訪れる800万人のうち、頂上まで足を運ぶのは200万人程度。整備を機に客足を伸ばすとともに周辺への『シャワー効果』にも期待したい」と話した。
同苑では観客の平準化などを目的に、10月から日中(午前9時〜午後5時)の入場料を無料(午後5時以降は大人500円、子ども250円)に。11月23日からは関東三大イルミネーションに選ばれる「湘南の宝石」が始まる。
エスカーも一新
江島神社参道と頂上部を結ぶ「江の島エスカー」が新たな装いでお目見えした=写真。「江の島ルミナスウェイ」と名付けた光と映像が第1区37mのトンネル内を演出。海の中をクラゲやクジラが泳ぎ、夕方や夜など時間に応じて演出が変わる。
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