市民が主体となり、「断熱化」による脱炭素化を目指して活動する「#6年後も本当に住みやすい街大賞1位をとるぞ!藤沢プロジェクト」(藤法淑子代表)が先月6日、優れた取り組みを表彰する「脱炭素チャレンジカップ」で環境大臣賞(市民部門)を受賞した。市民のみならず行政や地元企業と連携しながら脱炭素の機運を高めたことが評価された。関係者は「断熱の意義や活動を知ってもらう契機になる。今後の活動の励みにしたい」と喜んでいる。
脱炭素杯は国立環境研究所や環境省、環境団体からなる実行委員会が主催。14年目の今年は全国から161件のエントリーがあり、有識者の審査で24団体が部門や分野ごとに各賞を受賞した。
プロジェクトは2年前に長後在住の藤法さんの発案で発足。昨年3月に市との共催で地元事業者とも連携して小糸小学校で断熱ワークショップを開いたり、9月には公共施設の断熱性能向上を求める陳情も提出した。
活動をより広く知ってもらうきっかけになればと昨秋、同杯にエントリー。藤法さん含むメンバーがこれまでの活動をラップ調で紹介する2分間の動画にまとめたところ、「楽しそうな様子があって良い」などと講評を受けた。藤法さんは「環境省も活動を認めてくれた。賞がとれると思っていなかったのでうれしい」とほほ笑む。
「楽しさ」は、活動で最も大切にしてきた信条だ。温室効果ガスの影響で地球温暖化が進み、気候変動は深刻化。日本では建築物のエネルギー消費量は全体の3分の1となっており、省エネ化が急務だ。だが、「真面目にやっているだけだと聞いてくれる人が少ない」と藤法さん。
だからまずは断熱する工程が楽しいものだと知ってもらうことに。小糸小のワークショップでは専門家の指導を受けながら児童や保護者とDIYで二重窓を取り付け、断熱効果も検証。開催にあたってはクラウドファンディングも実施し、広く活動の意義が共有できるよう工夫した。
世界的に脱炭素の機運が高まる中、政府は2030年までに温室効果ガス46%減の目標を掲げる。藤法さんらも照準を合わせ、今年からプロジェクト名を「7年」から「6年」に更新した。
活動開始から2年が経過し、藤法さんは「私たちの声が少し届きやすくなった」と実感する。「断熱は環境だけでなく、健康や建物にもやさしく良いことばかり。今後も市や色々な人と連携しながら、意義を発信していきたい」
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